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私は人を意識せず、人が私を意識した。

私とみとちゃんと同じように部屋を借りているエリサが、今朝はHave a nice day!と言いながら元気に出かけていきました。何か良いことがあったのかもしれない。

彼女はいつも音楽をガンガンにかけて歌を歌う元気な人で、少々うるさくても歌が上手いから許してしまう。(笑)むしろ、エリサを真似してみとちゃんも私もお風呂の時に音楽をかけるようになりました。

Mar. 7

今日は昨日より暖かくなっていたけど、あいにくの雨でした。スウェーデンの人はよっぽどの雨以外はあまり傘をささないので、傘をさす私は少し目立ちます。

これは昨日私がスカンセンへ行っている間に子どもたちがつくったもの。今日のミーティングで、ルーラは私に、今日も6歳児のクラスはミュージカルを観に外出するからあなたも行くといいかもね、と提案してくれました。昨日に続いて、嬉しい!

昨日スカンセンに行きたいと言わなかったら、今日も声をかけてもらえていなかったかもしれない、と思うと、ますます昨日の自分に感謝したいです。

なので朝も6歳児のクラスにまじりました。ミュージカルを観に行くので、それに関連したお話を先生がしていました。

ルールは子どもたちに意見を聞く時、この水晶玉みたいなものを使います。これを握る人が発言権を得て、他の子は口を閉じるというのがクラスの決まりみたいです。

今日はこれまで利用したことのないバス停まで歩いて行きました。6歳の子どもたちをきちんと歩かせるのは、思った以上に大変です。歩くのが遅い子は、積極的に声をかけて手を繋いで歩いてもらう必要があります。

歩きながら周りをみると、映画やおとぎ話に出てきそうな可愛い家がたくさん並んでいることに気づきました。全ての家に煙突もついています。お隣の国、フィンランドにはサンタクロースがいます。もし日本にもサンタクロースがいたとしたら、縁側から入ってきていたのかな。

コンサートホールは、先生が言うにはノーベル賞授賞式で使われる場所のようで、とても立派でした。青と茶色のシックな色合いが好きです。

私たちだけでなく、この会場には他の学校の子どもたちも来ていました。子どもたちがどこにいるのか、全員を把握しておかないと、今すぐにでもはぐれてしまいそうでした。

コンサートの前に子どもたちは持ってきたサンドイッチとジュースをしっかりお腹の中にいれます。私も頂きました。

ノーベル賞授賞式は、このステージで行われるそうです。想像していたよりは狭かったですが、そういわれるとものすごく厳かな感じがしてきました。ミュージカルはオーケストラの迫力ある演奏から始まりました。

最初ミュージカルと聞いていた時は、大人の方が演じるのかと思っていたのですが、オーケストラの音楽に合わせて歌うのは子どもたちでした。こうした子どもたちをどうやって募っているのかは分からないけど、このミュージカルはステージに立つ子どもたちにとっても素敵な場だなと思いました。

司会の人は語り掛けるようにお話を進めていきます。観客も参加出来るようになっていて、教育テレビのコンサートバージョンを見ているようでした。

歌う子どもたちのなかには、ソロパートを担っている子もいました。本当に歌声が綺麗で、その子が将来どんな人になっているんだろう、と想像して聴いていました。

歌手になっているかもしれないし、こうしてミュージカルを創る演出者になっているかもしれないし、と思ったとき、昨日スカンセンでリサイクルを推奨するキャラクターを演じていた女性の方を思い出しました。彼女がショーの間に披露していた歌声も本当にきれいだったので、もしかすると子どもの頃にこうした経験を積んでいるのかもしれない、と思いました。

舞台を演じる側や歌を歌うこととはほぼ無縁の人生を歩んできた私にとって、彼女たちみたいにはなれないなあ、と思ってしまうと、どんどんキラキラして見えてきました。

学校に帰って、今日は木曜日だったことを思い出しました。先生たちの休憩室に行くと、Ficaの残りがおいてありました。私はコーヒーと、セムラ半分と夢と言う名前のお菓子をもらって、一緒にいたソロモンという男の先生と話しました。

彼はエチオピア出身で、大学で言語学を専攻していたため、ここではアフリカにルーツをもつ子どもたちにアフリカの言語を教えているそうです。子どもたちはみんな自国の言語を学ぶ権利があると言っていて、そういえば1週目に一部の子達がアラビア語を勉強していたことを思いだしました。

彼は昔マラソン選手だったみたいで、19994年に東京であったマラソンで、エチオピアの選手が優勝したことを知っているかしきりに聞いてきました。自分の生まれる前の年のことなので、全く知らなかったのですが、帰ってから調べると、アベベという選手のことを指していたんだと知りました。

日本には1億3000万人ほどの人が住んでいると話すと、最初は信じてくれませんでした。あんな小さな島国にそれだけの人が住んでるなんておかしいと。データを見せると、信じてくれたけど。スウェーデンは、人がこんなにいるのはストックホルム等の都市のみで、北方のほうは自然がほとんどだ、と言っていました。

私がオーロラを見たいという話をすると、運が良ければ北方へ行かずとも、偶然の重なり次第では見ることができると教えてくれました。希望をもとうと思います。

今日のお昼はホットドッグ!スウェーデンではホットドッグがとても人気で、korv(スウェーデン語でソーセージという意味)という文字を各地で見ることができます。私もスウェーデンに来てから既にいくつか食べました。

みとちゃんが以前言っていたように、ホットドッグというと、子どもたちはhot dogはおかしいと笑っていました。

バナナも人気です。ディワと、バナナを電話の受話器にして遊びました。

そのあとは、クラスの子の半分を先生たちが集めてくれて、日本文化の紹介と日本の小学校の様子を、クイズ形式で紹介しました。子どもたちが飽きないよう動画をたくさん用意していたのですが、なぜか動画が大きなスクリーンで流れず、パソコンで見せることになったのが少し残念です。

日本では給食を自分たちで配膳し、全員のぶんがそろってから「いただきます」と食べ始め、基本的には食べ残しが許されないことを話すと、子どもたちはすごく驚いていました。

たとえお腹がいっぱいでも、自分の好きじゃない食べ物であったとしても、食べ物は貴重だから感謝しながら食べないといけない、という点については、理解しがたいようでした。「もったいない」を説明するのは少し難しかったです。

みとちゃんの学校でやったように今回も浴衣を持って行ったのですが、やっぱり実物をもっていくとみんな興味津々でした。

着てみたいと行ってくれた女の子たちには、実際に羽織ってみてもらうことにしました。子どもたちはなぜか手をあわせて、「ナマステ」と言います。どこからそのイメージが浴衣と結びつくんだろう。(笑)

私が子どもたちと浴衣で遊んでいる間、三者懇談が行われていました。スウェーデンでもあるみたいで、この学校では年に2回あるそうです。

日本の文化と学校の様子の紹介に関しては、残りの子たちにもまた時間をとって紹介させてもらえそうなので、それまでに動画が流れるようになんとかしたいと思います。

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ところで、アベベはこんな言葉を残しているそうです。

私は人を意識せず、人が私を意識した。だから、私は一人で走った。あと20キロは同じペースで走れただろう。

私は何かと人の目を気にしたり、人と自分を比べたりしがちですが、このスウェーデンでの日々は、必要以上にそうするのをやめようと思います。

最近は特に、こうした名言に鼓舞されることが多い毎日です。

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