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ふんばりどきの3週目

今日は足がつって、その痛みで5時頃目が覚めました。早く起きたはずなのに、いろいろやっているとすぐに家を出る時間になって、私はいつもバタバタしながら家を出ます。今日もぎりぎり。

今しなくてもいいのに、思いついてすぐにしたくなって、ついついいろんなことをやろうとしてしまうのが私の悪い癖です。やることを整理すること、それに優先順位を決めること、それさえできればいい話なんだけど。

Mar. 4

今日も雪が降っていて、学校は今まで見たことのない光景になっていました。すでに来ていた子どもたちは、雪でも関係なく元気に遊んでいました。

今日はルーラがお休み。いつも朝のミーティングは彼女が仕切るので、今日はそれがありませんでした。ということは、みんなこのミーティングの時間をそれほど重要に思っていないのかな。重要だと思うんだけど。バタバタしていたから、このことは伝えませんでした。

イーダはこのSports weekを利用して、地元に帰っていたみたいです。イーダの地元はフィンランドとスウェーデンの間にある小さな島で、そこまでボートで帰るそうです。いつも忙しそうなイーダですが、ゆっくりリフレッシュできたみたいでよかった。

それにしても子どもたちは本当にかわいい。金曜日に行かなかったことに加えて、Sports weekは学校に来ていなかった子たちとは1週間ぶりの再会だったので、みんな私を見つけて駆け寄ってきてくれました。見て見て!という服にはTOKYOの文字が。どこで買ったのかは忘れたそう。

日本で、Los Angeles、New Yorkなどのロゴが入った服を着ていると、アメリカの人からしたらこういう感じにうつるのか、と思うとちょっとおかしかったです。

もう3月。カレンダーは張り替えられて、ところどころに誕生日の子の名前がかかれていました。

3月になったので、席替えをするみたいです。この学校では、教室の席だけでなく、食堂での席も決まっていて、もし3月になっても席が変わらなかったら先生たちに提案してみようと思っていたところでした。やはり、リフレッシュさせるためにはこういった気分転換できるものが大切みたいです。

次の授業が始まるまで、子どもたちは本を読むかお絵描きするか、自分の好きなように時間を使うように言われました。私も、教室の後ろにある本棚から気になった絵本を手に取って眺めることにしました。

北欧の絵本で好きなのは、全体的にシンプルなところ、リアルでも現実からかけはなれてもない、不思議と落ち着くイラスト、人間らしいシーンがたくさん描かれているところ、たくさんあります。

次の授業は理科の実験。水が蒸発して、凝結(凝縮)して水滴となる、その循環についての実験でした。イーダが、水滴となったものを子どもたちに見せてまわっていました。

実験の途中で、一度外へ出て遊ぶ時間をはさみます。ニーノが新しい帽子を買ったようでした。いろんな子がスパンコールのついた衣服を身に着けています。かわいい。ニーノは今日、いつもより多く私の手にキスをしてくれました。この手を洗いたくない(笑)

さあ、何をして遊ぼう!

雪だるまをつくろうとしている男の子がいました。めちゃくちゃ大きい。雪をすくって丸めてみると、簡単に固まってかたちができるので、私もつくってみることにしました。

とりあえず2こ。私の地元は愛媛で、雪遊びとは無縁の幼少時代を送ってきたので、この環境はすごくうらやましかったです。異様にテンションの高い私を見て、エレンは不思議そうでした。エレンは、先生の1人です。もう雪がまたふるなんて思ってなかった、はやく春がこないかな、と言っていました。

ハートをつくっている子たちがいたので写真を撮らせてもらうことにしました。雪があるだけでこんなに遊びが広がるのか!いいなあ。

外で遊ぶ時間は午前の授業の間にはさまれていて、15分たつとまた教室へ戻って授業が再開されます。子どもたちは、お湯とお水をつかって蒸発する様子を観察していました。

そして、海(川や池など)と雲と雨を通した水の循環を学んでいました。懐かしい。

今日のお昼です。お米があって嬉しかったです。手前にあるお肉は、シェフによるとビーフだと言っていました。

それから、右はビーフで左はヴィーガンだと言っていました。ヴィーガンのほうは、大豆でできているようです。どちらも食べてみて、どちらと聞かれればビーフのほうが美味しいけれど、そこまで大差はありませんでした。

以前私がマネージャーをしていたフランス人の子がヴィーガンだったため、それ以来、ついヴィーガンメニューと聞くと気にするようになりました。今度シェフに、ヴィーガンメニューについてもっと詳しく聞きたいなと思います。

月曜日は、ご飯を食べたあと走る時間です。子どもたちはあまりこの時間を好まないようです。走るといっても、いつでも歩いていいし、歩いてさえいない子もたくさんいます。

アイセックで、今年私の所属する受け入れ事業局のリーダーを務める先輩が昨日フルマラソンを完走したということに触発されて、私もなんだか走りたい気持ちになってきました。すれ違う子どもたちに一緒に走ろう!と声をかけつつ、20分ほどゆっくり走りました。気持ちよかったです。

そのあとはいつものように30分休憩をもらいます。ある女の先生がいたので、唐突ではあったけれど、どうして先生になったのかを聞いてみました。彼女はこの仕事についてかれこれ30年ほどたつみたいです。さあ、なんで先生になったんだろうね、と言いつつも、子どもたちがハグをしてくれたり、子どもたちの元気そうな声を聞いたりすることが幸せなんだと言っていました。

そこでベラも来たので聞いてみると、ベラは人と関わる仕事がしたかったみたいで、もし先生になっていなかったら、ホテルやレストランでサービスをしているか、介護施設や福祉サービスを通して高齢の方の生活をお手伝いしているだろう、と言っていました。

そこから話は日本の高齢化社会事情やスウェーデンの社会福祉にまで発展しました。スウェーデンは福祉国家として有名ですが、福祉サービスに不満を抱く人がたくさんいるのが現状みたいでした。

どんなに歳をとっていても、病気になっていたり、生活に支障が出るほど経済的に困窮していたりしないと、福祉サービスを受けることはできないそうです。ベラのお母さんは85歳。彼女はとても元気だけど、生活するうえで助けを必要としないわけではありません。でも、国が定める基準に達するほど生活に困っているわけではないので、このままいくと95歳になってもサービスを受けることはないだろうとベラは言っていました。

日本でも、経済的に介護施設や自宅介護サービスを受けることが難しく、孤独に暮らしている高齢の方がたくさんいることを話すと、スウェーデンも多いと言っていました。サービスを受けたいために、施設等に連絡をしても、他の施設に連絡してくれ、ここに連絡するといい、の繰り返しで、なかなか応えてくれないのだとか。

日本にいたときは、勝手にスウェーデンは福祉が整っていると思い込んでいたのですが、話を聞く限り、まだまだ課題が残っているみたいです。表面的な情報で判断するのはよくないな、とこの休憩時間を通して改めて思いました。

教室へ戻ると、子どもたちは交通ルールに関するビデオを見ながらスウェーデン語を勉強していました。つい一昨日、信号を無視する光景を見たばかりだったので、このビデオの内容は子どもたちにとって大切だなと思いました。

そのあとは、算数のワークに取り組んでいました。私はそのあいだ、子どもたちの様子を横目で見ながら、あるカードゲームの準備をしていました。

そのカードゲームというのは、食育に関する神経衰弱です。なかなかいいアイデアだと思って、Sports weekが終わってみんながまた学校に通い始めたら実践しようと考えていたものでした。

子どもたちは神経衰弱をメモリーといって、ルールを理解しているようでした。ですが、これは食育に関するメモリーです。ただカードの枚数が多い人が勝ちなのではなく、赤、黄、緑のカードを一番速くそろえることができた人が勝ちとなります。

私はこの3つの色をそろえる重要性を伝えたくて、例えば赤ばかりカードを集めたとして、私たちの食生活におきかえたら、生きていくうえで十分な栄養をとることはできない、などなるべくわかりやすく伝えようとしました。でも、子どもたちはルールが分かったことに満足して、ゲームをやることに意識が向いていました。まあ、今日はとりあえずゲームに慣れてもらおう。

カードに描いた食べ物は、子どもたちが普段お昼ご飯に食べることの多いものを選びました。また、カードにはスウェーデン語に合わせて英語も書いているので、単語の勉強にもなります。神経衰弱自体も、記憶力を鍛える遊びではあるので、このゲームは、1度に食育に関する知識、語学力、記憶力を身につけ、向上させることができる遊びなんです。

でも、実際やってみると子どもたちはただメモリーの新しいカードだという認識で、何の食べ物が何色なんだ、とか、単語を覚える、とか、そういったことよりも、ただゲームを楽しむことで終わっていました。また時間をとって丁寧に、色のグループが体にもたらす効果などを教えてあげないと、と思いました。

今日のおやつはパプリカとチーズをサンドできるようになっていました。バナナを食べ終わって、写真を撮っていないことに気が付きました。セーフ。

私は今週も、子どもたちに夢を聞きます。この子は華奢な男の子で、オーマンといいます。周りに気を遣うことができて、本当に優しい子です。先生たちの間でも、オーマンの優しさは評判です。

そんな彼の夢はYouTuber、もしくはビデオをつくる仕事に携わりたいとのこと。あったかい動画を配信してくれそうだな。

いつもはサッカーボールを蹴って狙う的に、今日は雪が投げられていました。的の配置と大きさの関係が、点数と合っていない気がしてなりません。

月曜日はいつもFritidsの時間中に、体育の先生が体を動かす時間として取り仕切ってくれます。今日はなんだかピンクの子が多い。

これはのコーンにある手袋を、相手にタッチされないように自分の陣地に持って帰るゲーム。その他にも、しゃがんだり、走ったり、全身を使うことのできるゲームにみんな夢中で組んでいました。

サラはおっとりした見た目からは想像つかないくらいにとても足が速いです。たくさん走っても、疲れた様子を見せることなく、彼女はニット帽の上に雪を乗せて遊んでいました。

雪で濡れてしまった服は、ここで乾かすことができるようになっていました。こんなものがあったとは。さすが雪国だなと思いました。北海道など、日本でも雪の降る地域の学校にはあるのかな。

3時になると、突然サイレンが鳴り始めました。これは、3か月に1回、第一月曜日の午後3時に、非常時のアラームが正常に作動するかどうかをテストするものみたいです。

先生は、ストックホルム市全体での取り組みだと言っていたけど、帰宅してからみとちゃんに聞いたところ、サイレンなんて何にも聞こえなかったと言っていました。もし正常に作動してないとしたら、大丈夫なのかな。(笑)

外で体を動かした後は、中で積み木をして遊んでいました。そういえば、建築士になりたいと言っていた男の子が2人くらいいたなあ。

私は神経衰弱があまりうまくいかなかったことが悔しくて、もう一度他の子たちに声をかけてやってみることにしました。でも、やっぱりただのゲームで終わってしまう感じは否めないです。むずかしい。

今週中になんとか効果のあるゲームにできたらいいな、と思います。理想は、子どもたちのお皿が私の呼びかけなしにカラフルになっていること!

今週することでいえば、Fritidsの先生と相談して、水曜日に日本の文化や教育をスウェーデンと比較しつつ子どもたちに知ってもらう時間をとってもらうことになりました。金曜日にみとちゃんの通う学校で行ったワークショップは、子どもたちが楽しんでくれたので、そのときの経験を活かしながら、少し改善しつつ準備したいと思います。

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これは帰り道、バスから電車に乗り換える際に撮ったもので、スウェーデンの電車は青なんです。

帰り道は、月曜日なのにもう週の終盤のような気分で、少し疲れていました。3週目のインターンシップが始まって、少しマンネリ化してきた毎日を、どうしたらもっと面白くできるか考えながら家に帰りました。

正直、今週で折り返し地点だと思うとこわいです。子どもたちも私に慣れてきて、以前ほどの興味を示さなくなってきたので、いろんなやり方で目をキラキラさせてやりたいな、と思いつつ、それが本当に自分のやりたいことなのか葛藤することもしばしば。ある程度小学校のことを知った今、もっとスウェーデンの違う側面を見たいと思ったりもします。

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帰宅してから、先日私が寝てしまっていてできなかった日々のふりかえりをマネージャーとしました。旅行中だったにも関わらず、マネージャーは夜遅くまで起きていてくれて、そうした優しさを実感すると、楽しまなきゃな、前向きに頑張ろう!と思えます。

そんなことを考えながら、夜ご飯を食べたあと、2時間くらい机に伏して寝てしまっていました。

目が覚めてキッチンを見ると、今日はマイケルの奥さんが、チョコレートケーキをつくったみたいです。またみとちゃんと私にも一切れずつわけてくれました。いつも本当にありがとう。

明日の朝、これ食べてまた学校に行こう。明日の朝はバタバタしませんように。

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