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すべては思い出になって、いつか、わかる。

誰にも見せる必要はない。誰かのために書いてはいけない。

数ヶ月あたためていた断片的なメモを集めてみた。公開する勇気はまだ出ないから、しばらく眠らせておこう…(2020.10.24)

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何気なく残した文章で、誰かを不快にするかもしれないと思うと怖い。こんな自分を、知られるのは怖い。とか気にしてしまう自分が面倒くさい。自分だけの日記にしてしまえば、それでいいのかもしれない。

でも今これを読んでくれている誰かがいるとするなら、いつかの私が、弱く小さな自分も大事にできたらと思ったんだろう。そんな自分と一緒に生きていこうって、楽になれたんだと思う。そう思いたい。(2020.10.16)

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特別不満があったわけではない。何かを失ったわけでもない。ただどこかの留め金が外れて、抱えていたものが少しずつ溢れていった。

たくさんの人に迷惑をかけた。自分が描いていた大人になんかなれていなくて、からっぽで。最高にかっこわるかった。嫌な自分ばかりが見えて、気づけばこれからに期待を持てなくなった。恥ずかしかった。朝は1日が始まることにうんざりして、夜は眠れない。何もしたくなかった。何もかもなかったことにして、消えてしまいたかった。

闇の中、もがくことすらしなくなった。生きるって面倒だ。人生って長い。どうせ、すべて忘れてしまう。くだらないことばかりを考えながら、希望に満ち溢れて毎日を生きていたいつかの自分が、眩しく思えた。と同時に、甘かったと幻滅した。こんな自分、いらない。ふとした時によく泣いた。

いざ言葉にすると単調で、薄っぺらい。もっと深刻な何かがあると思いたかった。こんなの、弱虫の戯言だよなあ。強い言葉に惹かれた自分が憎かった。前向きな自分が残した言葉は、何の救いにもならなかった。そんな言葉が誰かに圧をかけていたかもしれないと思うと、ますます自分が嫌に思えた。

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でも本当は、そうした弱っている自分とずっと一緒に生きてきた。ずっと、ここにあったような気がした。きっと、進むために隠していた。見て見ぬふりをしていたのかもしれないし、急に知らない自分が見えてきたような気もする。自分から望んで、こういうことを考えてみたかったのかもしれない。本当の自分が、ますますわからなくなった。

擦り減って、ひねくれて。無気力な自分にどう反応したらいいのかも分からず、ひたすらに怠けていく自分に鞭を打っていた。生活も乱れて、顔つきも変わっていった。

そんなことをしていると、本当に余裕がなくなって、いろんな人を傷つけてしまった。それでも今の自分があるのは、一人じゃなかったからだと思う。本当にたくさんの人にお世話になりました。ごめんなさいとありがとうが、尽きません。

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何もしないって、案外むずかしい。逃げてみること、幸せに生き延びることは、簡単なことではない。気づいたらこの世界に生まれていて、時間は待ってくれなくて、なのに突然求められたり壁が現れたりする。だから、今日も生きているみんな、それだけで本当にすごいことだと思う。

ずっと、映画や小説など、他の人の人生に救いを求めて、自分と重ねて、を繰り返していた。人と話すのはとても怖かった。物語は、ただ優しく流れていくだけだった。

もしまた、前を向くのに疲れてしまったら、読みたい本がある。心が擦り減ってしまった登場人物を、優しい文体で包んでいるところが、読んでいて安心できた。

もうこんな自分はこりごりだけど、会えてよかった。もしこの痛みを忘れてしまっても、そのとき自分が笑っているなら、それ以上幸せなことはないと思う。

時間が必要だった。問題を解いているときは全く分からず悶々とするのに、全然関係ないときに、ふと答えの切れ端が落ちていたりする。

まだ来てない明日のことは、わからないけれど、今日が昨日の続きだということは、よくわかる。 − 糸井重里 『他人だったのに。』

ただ、なかったことにはしない。一緒に生きていく。こんな文章を書いてしまう自分と、生きていく。

ゆっくりでいい。かっこわるくて上等。矛盾してたっていい。すべては思い出になって、いつか、わかる。

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