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何歳になっても

今日は朝起きると机の上に、マイケルからの置手紙がありました。

それは新しいWifiのパスワードがかかれたものでした。みとちゃんと私が、Wifiが少し弱いと以前言っていたところ、さっそく直してくれたみたいです。マイケルはおせっかいなくらいに仕事が早いです。

この紙にThank you!とかいて家を出ました。

Mar. 1

今日はみとちゃんのいつも行っている学校へ行くので、乗り換えで利用する駅も少しずつ変わってきます。スウェーデンの電車の路線図は、とてもわかりやすいです。

こっちにきて、いろいろな看板、表示板を見ながら、スウェーデンの人は思考のデザイン能力に長けているような気がしています。できるだけシンプルに、人に分かりやすく伝えてくれるものが多いからです。

学校の最寄り駅は、これまたアートな空間になっていました。ベンチもなんかかわいい。

最寄り駅から、住宅街を通って、森のような道も歩きました。

到着!この学校は、自然のなかにありました。みとちゃんがよく、子どもたちと森へ遊びに行ったり、この前はそこでバーベキューをしたりしたと言っていたわけがわかりました。

外には広い運動場のような場所もあって、寒くて氷がちゃんとある日はここでスケートをするようです。今は溶けてしまっているけど。バスケのゴールもある!

中へ入ると、先生たちが笑顔で迎えてくれました。スウェーデンの人は、初対面の人と握手をしながら名前を言います。スウェーデンの人の名前は発音が難しくて覚えられない、と私が言うと、まあ何度でも聞けばいいよ、と言ってくれました。

それからはみとちゃんが校舎を案内してくれました。教室は、私の行っている学校よりも日本のそれに近くて、教室の数もたくさんありました。私の学校は1学年1クラスしかないのに対し、みとちゃんのこの学校は、1学年に2クラスあるようでした。

壁には、子どもたちがつくったものがたくさん貼られています。これは、算数で分数を勉強した際につくったものらしいです。私はこういう遊び心いっぱいのものが好きです。まさか鳥にするとは。感心して見ていました。

子どもたちは縫物もするようです。北欧っぽいなあ。

この学校には、たくさん植物がおいてあることに気が付きました。自然のなかにある学校だからなのか。サヴィーナという先生が、水やりをしていました。これだけ植物があると水やりが大変そうだな。

先生たちがいつもFicaをする部屋はホテルのラウンジのようになっていました。ここにもたくさん植物がおいてあります。

子どもたちのいる部屋に戻ると、みんなが本を読んでいました。ポリーはポケモンが好きみたいで、ミュウがお気に入りみたいです。私も弟の影響で少しポケモンを知っているのですが、ミュウツーがそのあとXとYに分かれて進化することをこのときはじめて知りました。ポケモンって奥が深い。

トーグはドナルドのマンガを読んでいました。彼はリスの柄の服を着ていました。私の学校の子どもたちより、ここの学校の子どもたちは動物柄の服を着ている子が多く感じました。

子どもたちが本を読んでいた周りにはこんな作品がおいてありました。絵本のワンシーンを自然のものをつかって再現したものらしいです。かわいすぎ。創造性が豊かになりそうだし、何より自然のものを使うところが素敵。私の学校でも、これやってみたいな、と思いました。

ある程度先生たちが集まってくると、今日は何をするかの話し合いをしていました。Sports weekに来る先生は、みんな勉強を教える先生ではありません。先生たちは、いかにFritidsの時間を有効に使えるか話し合っているようでした。

スウェーデンの学校には、どこも、このように大きなキッチンがあるようです。ここのキッチンは、私の通う学校のそれよりも大きかったです。

ここに日本はうつっていません。これを見ると、自分がいかに日本を中心に世界を見てきたかを実感させられます。

しばらくして隣の部屋をのぞくと、子どもたちが目にきゅうりを乗せて寝ていました。きゅうりは水分をたくさん含んでいるので、保湿効果に最適のようです。

私も一緒に寝ることにしました。このとき、生まれて初めて顔にきゅうりを乗せました。なるほど、たしかに水分がすごい。この写真はいつ見ても笑ってしまう。(笑)

寝ていると、先生たちが手をマッサージしてくれました。すごく気持ちがよくて、何かマッサージの資格をもっているのか聞くと、もっていると言っていました。癒される。

マッサージにはハンドクリームを使っていました。一区切りつくと、お水が配られます。これまたきゅうりが中に入っています。目の上に乗せていたきゅうりも、みんなそのまま食べていました。

癒される曲がずっと流れていて、子どもたちは心を落ち着けていました。こうした時間はよくとるのかを聞くと、ちょっとした休みの期間にしかやらないそうで、年に3回程度。Sports weekと渡航期間が重なっていてラッキーだなと思いました。

少しして、今日はお昼ご飯を食べるためにこの地域にあるもう1つの学校へ歩いていきました。Sports weekで子どもの数が少ないので、大きい学校でみんなが食べるのだと言っていました。

着いた学校は、森の中に溶け込んでいました。この地域にはみとちゃんの通う学校と、この学校の2つしかなく、こちらにしか中学生クラスは存在しないため、みとちゃんの通う学校の子どもたちは6年生が終わるとこっちに入学するみたいです。

またしても美味しい。ここの学校も、シェフのような方がいて、その場で料理をつくって出していました。

ニーミヤ(男の先生)のお皿。これがスウェーデン流なのか。日本では、ご飯をお茶碗いっぱいについで山盛りにすることは礼儀が悪いとされているので、文化の違いがあるのかもしれないし、ただニーミヤがお腹すいているだけかもしれない。

ニーミヤに歳を聞くと、22歳とのこと。ここでの勤務は4年目らしいので、高校を出てから働いているということになります。どうしてここで働こうと思ったのかを聞くと、とりあえず面白そうだったからなんとなくやってみることにした、とのこと。

そして、これから将来のために大学で関心のある分野を学びたいと言っていました。何を学びたいのかを聞くと、スポーツやアクティビティに関することを勉強したい、そして何かのプロジェクトを率いて大きなことをするリーダーにもなりたいとのこと。かっこいい。

スウェーデンは生涯教育の国として有名です。生まれてまもなく子どもをプレスクールに通わせるのはもちろん、何歳になっても、誰でも大学に無料(有料の場合もあるとか)で通うことができます。

日本だと、高校を卒業したら大学進学か就職かの選択を迫られ、「なんとなく」大学を選んでしまう人も多いのではないかと思います。自分の興味関心を理解し、本当に人生でやりたいことを見つけてから、目的意識を強めて大学で学ぶことを選択するシステムは、日本も導入を検討してよいかと思います。

みとちゃんの学校には、最初衣服の販売員の仕事をしていたものの、もっと意味のある仕事をしたいと大学で学びなおして、Fritidsの先生になった人もいるとのことでした。素敵だな。この写真、キャラメルポップコーンがなっているみたいで好きです。

ちなみにその先生は、普通の先生ではなくなぜFritids(学童、放課後の時間)の先生になったのかというと、普通の先生は学習カリキュラムに沿って教える必要があるのに対し、Fritidsの時間では、人生に大切なことなどを自分のやり方で子どもたちに教えてあげられるから、とのことでした。

学校に戻ってからは、みとちゃんと日本に関するワークショップみたいなものをしました。

最初にこの動画を見せたのですが、日本を美化して紹介しすぎたかな。(笑)みんなにも見てほしいです。こうした日本の文化を守りたいなと思いました。

私は日本から浴衣をもってきていたので、子どもたちや先生に浴衣の柄だけでなく、肌触りも知ってもらうことができました。寒いから着ることはないだろう、と思っていたものの、持ってきていてよかった!

いくつかのクイズを用意して、答えだと思うほうに動いてもらうことにしました。体を動かしながら考えるというのは、スウェーデンの教育から学んだものです。

1番面白かったのは「日本にはまだ忍者がいる。〇か✖か」というもので、1人以外はみんな、日本にはまだ忍者がいると思っているみたいでした。あの動画のせいかもしれない(笑)

そのあとは、みんなで折り紙をしました。手裏剣と鶴、つくりたいほうのテーブルに分かれて、みとちゃんと私が協力して教えました。

やっぱり、手裏剣も鶴も、そんなに簡単ではないようでした。でも、みとちゃんの学校の子どもたちは全体的に静かでおとなしい子が多く、私が自分の通う学校で折り紙のワークショップをしたときよりはスムーズに進みました。

子どもたちの名前をひらがな、カタカナ、漢字でかいてあげたりしました。ベアという先生がいるので、熊という漢字をかくとすごく喜んでいました。wellって最良ではないけど、まあいっか。(笑)

そのあとはみんなでビデオを見ていました。Singです。途中までだったけど、ふつうに面白かったので、また今度DVDでも借りてみてみようかな、と思いました。

Mellisとは、お昼と夜のあいだを表す言葉で、Ficaではないおやつのことを指します。(FicaとMellisの明確な違いはあまりわからないけど。)コーヒーも頂いて、美味しかったです。

そのあとは、外で男の先生たちとバスケをしました。21という、順番にシュートをして21点を先に決めた人が勝ち、というゲームをしました。もともとそんなに上手ではなかったけれど、全然シュートが入らなくて、自分の退化ぶりに落ち込みました。少しは運動しないとなあ。

先生たちに、また来てもいいか聞くと、いつでも!と言ってくれました。違う学校に行ったのはすごく新鮮で、比較したり、共通点を見つけて普遍的なものを探ったり、とても濃い時間でした。また授業のある日に来てみたいな。来週、先生に相談してみよう。

駅の近くにかわいいパン屋さんがありました。買おうと思ってお店のなかに入ったけれど、思ったよりも値段が高かったので諦めました。

その目の前の広場には、卵の殻のオブジェがあって、異様な存在感をはなっていました。みとちゃんと私はその中に入って、鳥になりました。

スウェーデンのトイレは、外のものだと有料が多いです。1回に60円ほど払う必要があります。もちろん、すべてが有料ではないけれど、有料だと利用する気持ちがうすれます。近年の傾向だとショッピングモールのトイレは無償化されているそうです。

家に帰ってから、洗濯物をしにいきました。少し家から離れたところに行く必要があるので、私はいつも待っている間、本を読むことにしています。この本は、人間が潜在的に勘違いしてしまいがちな10の思い込みを解説してくれるもので、なかなか面白いです。

私は知ることへの欲求は強いけど、読書がなかなか継続できません。たぶん、頭では読書の重要性を分かってはいるものの、本能的には、読んで知識を得ることよりも、行動して経験から学ぶことのほうを優先してしまうんだと思います。洗濯の時間に本をもっていくのは、半強制的に読書をすることができるので、続けていきたいと思っています。

***

本当に、学びのない日は1日もありません。こうして日記をかいていると、何気ないことにも発見がある日々を過ごすことができるな、と思います。

死ぬまで何事にも興味をもっていたいな。

スウェーデンに来てから2週間です。3分の1が終わりました。残りも楽しんでいきたいと思います!

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