赤の圧力 / ワインレッドの心 @リストラーズ
国内だけとは 言わない。
リストラーズに注目する眼差しのある あちこちから、どたん、ばたん、
ぽてん、きゅー、と反応が炸裂している気がする。
今回の新作「ワインレッドの心」は おとなのつやっぽさ全開のものになっている。
もちろん リストラーズらしいクスッと笑える要素も盛り込まれているのだが、それより注目してしまうのは、草野リーダー帰国後 第一作のリスパワーの爆発ぶり。
全員そろって国内にいることからくる安心感なのか、いよいよ20周年に
本気をぶつけてきた相乗効果なのか分からないが、ともかく画面から伝わる
ものに高い圧力がある。
選曲や編曲担当についての発表は まだなくそのうち聞かせていただけるの
かもしれない。
今は 受け取った側、一ファンの熱に浮かされたような感想にとどめたいと
思う。
と言っても 音楽には詳しくなく さらに ほぼ野村さんしか見えてないことの多い筆者なので、そこはあらかじめ お断りをもうしあげておきたい。
「ワインレッドの心」は
安全地帯の大ヒット曲として記憶されているが 作詞は あの井上陽水さん。
陽水さんの言葉は 感性抜きでは理解できないような独特の世界観があるように思う。
この「ワインレッドの心」もグラスに入ったワインを挟んで おとことおんなの大人の駆け引きのようなものが描かれている。
著作権があるので ここで詞の内容を記述できないが、どう考えてもワケありの男女と受けとれる二人。
おとこは 先行きや事情など考えない性格なのだろうか。酔わせてでも
おんなを落とそうとしているように ことば巧みに押してくる。
おんなは もう少し現実的。雰囲気に飲まれてはいけないと思いつつも
この場を楽しんでしまう少しのズルさが垣間見える。
どちらも独身ではないのかなという気がするが そういう事情はともかく
夜の街で ひとときの駆け引きを楽しむ。
このなんとも言えない色気と言おうか、少しの背徳感と言おうか、そういうものをリストラーズが 大真面目のスーツ姿で再現してみせる。
だが このスーツ姿が 妙に現実的に感じられ、まるで自分が押されているかのような錯覚を起こして 歌の世界観に引き釣りこまれる。
筆者が特に注目している野村さん。
いつもとは違うヘアスタイルも相まって、ちょっとワルい感じと 欲望に素直な感じとともに やりすぎない押し方で迫られているようで 本当にマズイ。
これ 錯覚だから、歌だからと思っても その世界観に引っ張っていかれてしまう。
今回は リードでなく コーラスだというのに この吸引力は何だろう。
最初から なり切りの憑依なのだろうか。
眉根を寄せるたびに くらくらするほどの つやっぽさがこぼれる。
いやいや、落ち着いて。
ミキシング担当の大島さんによれば 「リードボーカルの処理に新しい手法を取り入れました。実は ベースの太さがすごいことになっている」そうで、 いいヘッドホン または いいスピーカー推奨とのこと。
大した機材も 大した耳も持っていない筆者だが ひとの声だけと思えない度が ゲキ増ししていたのは そういうことだったのか!と納得した。
草野さん、澤田さんのツインリードは 声の相性がよいのか 色気があるのに
嫌味のない流れがあって 心地よく世界観をいろどって織り上げる。
途中には どなたかの言葉をお借りすると「西部警察」を思い出すサービス
カット。
あちこちで止めて 繰り返し聴いて、じっくり見たくなる要素がいっぱいだ。
陽水さんの世界観をスーツ姿の6人が 芳醇な香りとともに立ちあげる
ワイングラスの中身が 揺れる
絶え間なく ちいさく ゆれている
その色は 赤
ゆれてもグラスは けっして満たされることはない
おとこ と おんな
駆け引き と 迷い
押されても 引くだけ
それは 選べない 分かってるんでしょ?
ゆれるワインは おんなのこころ
夜の灯かり ワインの色が おんなの瞳に映りこむ
おとこは なお 押さずにいられない
まいったな。
真夏の夜に こんな夢を贈ってこられるとは・・・。
< すてき とか かっこいいとか 超えてる
ほんとに まいった どこまで出来るひとなの?>
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