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2024.7.13.sat

都道を走ると野川公園に差し掛かる直前にあるカラフルで奇抜な集合住宅。著名な作家の作品であると言うことは、なんとなく知っていた。この「三鷹天命反転住宅 イン メモリー オブ ヘレン・ケラー」のガイドツアーがあると前日に知り、この貴重な機会に滑り込む。

最寄りの武蔵境にも駅前に注目の建築がある。丸くて大きな窓枠、全体的にモダンな雰囲気の「武蔵野プレイス」静かな図書館を主に、カフェもあり、青空が似合う広場から地続きな感じがとても良かった。

ターミナルへ移動してここからはバス利用。乗車10分だけど、知らない道を進む小旅行感が楽しい。駅前に昔からあるイトーヨーカドーがまだ当時の建物のまま健在で感激。しばらく進むと…ぶどう園や畑、庭園があったり、広大な敷地の自動車工場、森林に囲まれた学校、遠くに高い電線の鉄塔が南北に立ち並ぶ。この空間の広さと全体的にのんびりとした時間の流れが武蔵野の魅力。

午後から90分のガイドツアー。1室に集合してお話を聞きながら、室内を隅々まで歩き回る。ここに住むなら?という想像を中心に置いた体験型ツアーで飽きさせない。

外観からは奇抜さばかりが目立つのでアート的な主張が強い空間に放り込まれた感覚なのかと思っていたけど、実際に滞在して、解説を聞くうちに印象が変わる。

平面の無い凸凹ですり鉢状の床、色の配置、全てが計算の上でルールの上で成り立っていたとは驚愕。

床の不安定さは身体のバランスを矯正させるし、常に6色以上視界に入るよう設計された内装は自然風景の情報量を思い起こさせる。

自然環境下で起きる心身の変化を日々の生活の中で追体験する事になる。それが無意識だったとしても、住居にその為の仕掛けがあるのだから面白い。

ここに住むなら?の妄想が止まらず、ここに住みたい。に変わってゆく。(現在9世帯のうち、5世帯が実際に住んでいるそうだ。)

こんな魅力的な住宅が、作品として、ここ三鷹にしか無いのが実に惜しい。9462歩。

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