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アパレルOEM入門書

どうもKです。

今はコロナで外出ができないので愛犬を愛で、美味しいものを食べ、ゲームをする日々です。

というのは冗談で、ありがたいことにコロナ前と仕事量は変わらず、むしろ増えてるんじゃないかと感じています。OEMはもちろん別事業も、また利益は一旦置いておいた抗菌事業も形になってきています。

そんな背景がありますが、休日にすることもないのでOEMに関するノートを書こうかなと思いました。

(FF7Rが終わってやることないのは内緒です)

今回書く内容は初心者というか、OEMって実際どんな感じやねん。という方への紹介になるかなと。。

※分かりやすく表記している部分もありますがご了承ください。

うちの持っている背景を前提としたものになるので多少汎用的ではないですが参考にしていただけたらなと思いまする。


そもそもOEMって何?


OEMを説明していくと言いましたがそもそもOEMを分からない方も多いかと思います。

OEMはオリジナル・エクイップメント・マニュファクチャリング(Original Equipment Manufacturing)の略で直訳だと「自社の製品を製造する会社」となりますが、普遍的には

『製造メーカーが他社ブランドの製品を委託製造すること』

を指します。

簡単に説明すると

他社に依頼して製品を作ってもらうことをOEMと呼んでいます。

ここからはアパレルの話に入っていきます。

アパレルのOEMにも二種類あり、完全OEMと既成のボディ(以降有ボディ)を使用する簡易OEMです。


完全OEM


まずは通常のOEMから説明していきます。

完全OEMはその名の通り、一から全て作るOEMでみなさんが洋服を作ると言ったらこれだろう。っていう想像通りのものです。

ばっばっと工程を書いていきますね。


イメージの打ち合わせ

素材を集める

デザイン決定

仕様書作成

パターン作成

サンプル作成・確認(一回目)

修正・サンプル作成・確認(二回目)

量産

検品・仕上げ

納品

この流れです。

これでも簡略化した方でブランド側が関与しない工程が多く存在しますが、ここで全て書くのは僕が発狂してしまうのでやめておきます。。

上記の1つ1つを解説していきます。(今回はスウェットを作る体で)


イメージの打ち合わせ

製品の骨組みを作る一番大切な工程です。

予算は?

 予算によってどの工場・素材・デザイン・ロットが提案できる。

ロット(制作個数)は?

ボディのサイズは?(着丈、袖、首回りetc... サイズ展開するなら各種)

 ボディはモデルになるサンプルがあるとトレースができるので早くて楽。

どんな素材で作る?

 ストレッチ性・肌感・防臭や抗菌・吸汗速乾etc...

ネームは?

 ネームを作るのか、ボディにプリントするのか

何を売りにしたいのか?

 ここの拘りが強いほど作りやすく、いいものができる。

いつまでに作って、いつ売りたいの?

 スケジュールを組まないとズルズルと納期が延びたり、弊害が出てくる。

などなど非常に大事な工程です。

自分の感性で作りたいものを作る人、顧客ファーストで売れるものを作る人、いろんな方がいますが、これが悪いとは言いませんし、思いません。

モノづくりには売れる法則やポイントがあるかもしれませんが、それが正解というわけではなく、その人が作ったものがその人の正解なんです。

その為打ち合わせ時にアイデアの提案こそすれ、ダメ出しはしません。ここを僕は一番大切にしています。


素材を集める

次は素材集めです。

上の工程で素材のイメージをいただき、そのイメージに近い素材を各所(国内、中国、ベトナムetc...)から集めます。

例)花の総柄を作りたい場合は、サンプルやイメージをもらい、それに近い生地を用意して顧客側に選んでもらいます。

自分のデザインしたものを総柄にすることもできますが、プリント代、ロットなどの問題が発生します。

またスウェットの場合は必要ないですが、ファスナーなど付属の決定もしないといけません。


デザイン決定

またその打ち合わせでデザインを決定します。

プリント位置(上から○cm左から○cm等)

プリント方法(通常のプリントから発泡プリントetc...)

他にも

ショルダーバッグを作るなら

・ここにポケットをつけたい

・タグをつけたい

・ショルダーの長さを○cm

などなど要望をお聞きします。(もちろんコストとの兼ね合いはあります)

ここでこだわりを作れるのが完全OEMの強みです。



仕様書作成

通常、仕様書はブランド側が作成します。

しかしD2Cブランドの方は仕様書を書けない場合が多いため、弊社が代行して書くことが多いです。



パターン作成

パターンはデザイン、サイズ、仕様を一覧にしたアパレルの設計図です。

このパターンを元に工場は製品を作成するので、めっちゃ大切です。

下記の図のようにパーツパーツで裁断をして縫い合わせるという工程です。

こうやって作ってると知らなかった人も多かったのではないでしょうか?

洋服を作るって大変なんです。。笑


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サンプル作成・確認(一回目)

2.3週間ほどでサンプルが上がるのでブランドに確認してもらいます。

1cm袖を長くしたいとか、プリントを5mm上になど

修正したい点をあげてもらいます。

もちろん修正がなければそのままでも大丈夫です。


修正・サンプル作成・確認(二回目)

前工程であげてもらった点を修正し、再度サンプルを作成します。

また2次サンプルを確認してもらい、OKであれば量産に入ります。


量産

めっちゃ作ります。工場さんすごいです。


検品・仕上げ

製品が出来上がったら、検品をします。

ほつれ、穴、汚れ、プリントミス、折れた針の混入etc...

問題がなければ綺麗にプレスしシワを伸ばし、畳んで袋入れして完成です。


納品

ここでやっと納品です。

これでも簡略化してるので服1つ作るにしても大変な作業だということがわかっていただけたかと思います。。。


というのが完全OEMの流れになります。

また完全OEMは、納品までにどんなに早くても2ヶ月以上は普通に掛かるので、発売から逆算してスケジュールを組むことが必須です。


完全OEMのメリット

・オリジナリティを最大限製品に反映できる

・他社との差別化

完全OEMのデメリット

・工程多い

・リードタイムが長い

・ロットが小さいとコストが高い


簡易OEM


次にボディを使ったOEMですが、その名の通り、有ボディに自社のデザインや加工を加えるものです。

簡単にいうと高校生がよく作るクラスTシャツのイメージですね笑

(例)

例えばUnited Athleのボディです。

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価格、質共に非常に良くプリント等加工もしやすいので、OEMのボディとして広く使用されています。


工程が

デザイン決定

サイズ・枚数・色決め

量産

検品・仕上げ

納品

と完全なOEMに比べて工程が少なくすむのが特徴です。

有ボディのメリットは

・OEMに比べて少ないロットで短サイクルでのリピートが可能

・価格が安い(小ロットの場合)

・小ロットで作成可能

・納期が早い(2-3週間)

このあたりになります。

短サイクルでのリピートが可能なので、在庫リスクを最大限軽減できます。

価格に関しては、ボディを作る費用がかからない為、安くすみます。  (大ロットの場合は完全OEMの方が安い)

そして、有ボディを使用する為、完全OEMより圧倒的に少ないロットで作ることが可能です。(50~など)

また有ボディは国内でのOEMが基本であり(海外で行うことももちろんあります)、また工数がプリント・タグの付け替え・その他仕上げのみで有る場合が多い為、納期が早いのが特徴です。


デメリット

有ボディの為、こだわった製品を作ることができない

・見る人が見れば有りボディだとわかってしまう


完全に比べてハードルが低いながらもボディのクオリティが高いのでOEMを始める人はだいたいここから始めます。

ただ、お粗末なものも多いのも事実で、通常は有ボディでも自社タグを作成して付け替えを行うのですが、Athleのタグのまま販売しているのもちらほら見かけます。。。

お客様に届くものなので最低限こだわってもらいたい部分です。


コストに関して


簡易OEMでスウェット一枚作るにもそこそこ費用がかかります。

版代やプリント代、仕上げ代などがかかります。

版代、プリント代は色の数によって値段が変わります。

そのため、1色のプリントと4色のプリントでは値段は全然違います。

ネームを作るにも費用がかかり、ネームの縫い付けにも費用はかかります。

これらのコストがかかるため、ロットが大きい方が着単価が低くなるという感じです。

細かなコストの解説はまた別の機会に、、


ということで、OEM解説のブログ記事みたいになってしまいました。。

書いてみると楽しいものでなんて思っていたもの昔。疲れました。。笑

これくらい知っとるわ!っという方もいたかと思いますが今回はOEM入門編ということでご勘弁を。

簡単な質問等ありましたら、DMでもリプでも回答しますのでお気軽に!
これからGEOに行ってゲームでも買ってこようと思います。

ではまた。


あっっ明日のプレゼン資料作らないと。。。。