「仕事と家庭の両立」考え方とコツ×5をご紹介
一般的に、仕事と家庭の両立(ワーク・ライフ・バランス)の話が出てくると、多くの人は、「時間配分」の問題であると捉えがちです。
※以前は、私もそうでした^^;
例えばあなたも、以下のような感覚、ありませんか?
手持ちの時間が100あるとして、今は、「仕事:家庭=80:20」だから、バランスが悪い。
これが、「仕事:家庭=50:50」になれば、両立できている気がする、みたいな。
図にすると、以下のような感じです。
確かに、ある程度は、時間配分が大事になってくる部分もありますが、これは、本質ではありません。
実際、時間配分を50:50にしようとしても、現実的に難しいし、それで解決するわけでもないのです。
いくら家庭の時間が増えても、その時間に、頭の中が仕事でいっぱいになっていて、パートナーや子供の話に耳を傾けられないとしたら…?
子供と公園で遊んだり、パートナーと食事している時にも、仕事が気になって、スマホを逐一チェックしていたとしたら…?
これでは、「両立できている」とは言えなさそうですよね。
仕事のときは家庭を思い、家族といるときは仕事を思う。
これでは、いつも「心ここにあらず」で、幸せも何も感じられないですよね。
今日は、こういった「仕事と家庭の両立」のお悩みを解消するコツをご紹介します。
私が実践している、具体的な行動5つもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみて下さいね。
大事なのは「時間の配分」ではなく「心の配分」である
先ほど、「いくら家庭の時間が増えても、心ここにあらずだったら、なんの意味もない」という話をしました。
では、逆に、家庭の時間が、仕事と比べて少なかったとしても、その瞬間瞬間に100%心が向き合えていたら、どうでしょうか?
とても充実した、幸せな時間になりますよね。
そう。
仕事と家庭の両立において、いちばん大事なのは、「時間配分」ではなく、『心の配分』なのです。
マインドフルネスや禅などでも言われているように、「今」に100%集中することが、一番大事なのですね。
仕事のときは、仕事に100%集中する。
家族といるときは、家族に100%集中する。
すると、仕事ははかどりますし、家族との時間ももっと幸せに満ちたものになります。
私の体験「仕事と家庭を両立できない…」
私も以前は、「時間配分」ばかり気にして、焦っていたことがありました。
「今日も、仕事ばかりになってしまった…」
「子供たちと過ごす時間が取れない…」
「仕事と家庭を両立できない…、自分はダメな人間だ…」
時間配分ばかり気にしてしまうと、仕事をしている時間に罪悪感を感じてしまうことにもなり、ストレスにもなりますし、悪影響です。
(仕事は本来、あなたの使命を果たす活動なので、とても大事な時間なのです)
時間配分に気を取られると、せっかくの家族との時間にも、仕事をしていない後悔のような念がわいてきてしまったりして、まったく楽しめませんでした。
これが、「心の配分」が大事なんだ、と気づいてから、仕事にも集中できるようになり、成果も上がりましたし、家庭の時間も楽しめるようになり、子供たちの笑顔も増えました^^
脳はいつも、過去や未来に行きたがる
心理学者のマット・キリングワース氏は、次のように話しています。
つまり、時間の半分を「心ここにあらず」で過ごし、無駄遣いしている、ということです。
これは、あなたのせいではありません。
集中力が足りないとか、そういう話ではないのです。
脳は基本的に、「今にとどまるのが苦手」なのです。
脳は、常に刺激を求め続けています。
それが、過去を後悔したり、未来を不安に思ったりするような、マイナスの刺激だったとしても、脳は刺激があることを望んでしまうのです。
脳は、過ぎ去った過去を思い煩い、未だ来ない未来を思い煩う。
この、落ち着きのない脳を手なづけて、今に集中させてあげましょう。
「ただいま」という言葉がありますよね。
この言葉、実は禅(仏教)の「只今(ただいま)」が語源なのです。
仕事は仕事、家庭は家庭で、目の前(ただいま)に集中する。
子供は、今を生きる天才です。
我が家の息子たち3人も、いつも今目の前を楽しんでいます。
子供たちと過ごしていると、「今」に集中する大切さを教えてもらっているような、そんな気がします。
では、家庭で今に集中するために、私は何をやっているのか?
以下で、具体的に紹介します。
仕事を家庭を両立させるコツ×5
(1)結界をはる
突然ですが、マラソンで10キロ走りきった!という場面を想像してみてください。
10キロ走ってゴールして、すぐにいつも通り喋れますか?
難しいですよね。息があがって、ハァハァ言ってて、気持ちも落ち着かないはずです。
これは、仕事も同じです。
仕事中、あなたの脳は、マラソンを走っているようなもの。
仕事が終わってすぐに気持ちを切り替えて、家の顔に戻ることは、難しいのです。
だからこそ、この「結界」という考え方が大事になります。
これは、禅の考え方をもとにしています。
例えば神社には、鳥居がありますよね。
この鳥居は、神社の中に、外の汚れたエネルギーが入ってこないように守っている、結界の意味があります。
この結界を、私たちも活用できるのです。
例えば、「オフィスのドア」や「最寄り駅の改札」、「自宅の玄関ドア」を、あなたの結界ポイントにします。
そして、そこを通過するときに、仕事のモヤモヤ・考え事を手放していくイメージをするのです。
こうすることで、仕事のエネルギーを自宅に持ち込まず、心を穏やかにすることができます。
上記のように、この「結界」は、イメージするだけでできますので、ぜひ(今日からでも!)お試し下さい。
(2)スマホを物理的に遠ざける
スマホが目に見えるところに置いてあると、つい気になってチェックしてしまいませんか?
私もです^^;
例えば、メールやメッセンジャー、FacebookやTwitterなどのSNS。
スマホは便利な道具ではありますが、常につながっていようとすると、疲れますし、家族の時間を侵食されてしまいます。
だからこそ、意図的に「つながらない」ようにすることが大事なのです。
例えば私は、家に帰ったら、スマホは以下のような場所に片付けてしまいます。
リビングではなく、クローゼットの鞄の中にしまう
書斎の棚に片付けてしまう
なぜ、目に見えるところ(リビングなど)に置かないのか?というと、「スマホが近くにあるだけで注意力を奪われてしまう」という研究結果があるからです。
以下が、その研究結果です。
こういう理由もあり、物理的に遠ざけて、見えないようにしています。
私が特に注意しているのが、SNSです。
投稿などすると、つい「いいね!されてるかな?」「コメントついたかな?」のように気になってしまうものです。
Facebook(フェイスブック)
Twitter(ツイッター)
Instagram(インスタグラム)
LinkedIn(リンクトイン)
Youtube(ユーチューブ)
これらのSNS各社は、あなたの注意を1秒でも0.1秒でも獲得しようと、必死になっています。
アテンション・エコノミーという言葉をご存知でしょうか?
これは、「人々のアテンション(注意・興味・関心)に値段がつけられ、SNSなどのコンテンツ提供者がアテンションを奪い合っている状態」を指します。
SNSで多くの時間を使ってもらえれば、それだけ広告がクリックされたりして、各社は儲かるのです。
ある意味、SNSの中では、私たちは「顧客」ではなく「商品」なのです。
(悲しいことですが…)
私は、自分の注意は、SNSではなく、家族に向けたいと考えています。
なので、上記のようなSNSは、スマホにアプリも入れないようにしています。
(3)家族の目を見る
これは、ベストセラーになった本「限りある時間の使い方」の著者:オリバー・バークマン氏の言葉です。
また、禅の師とも言われる、ジョン・タラント氏は、以下のように話しています。
例えば、誰でも、相手が自分の話を聞いてくれたら嬉しいですよね。
「自分に注意を向けてもらえる」というのは、すごく愛を感じるということです。
とは言っても、「注意を向けるって、具体的にどういうこと?」を思われる方も、いらっしゃると思います。
具体的には、ずばり『相手の目を見ること』です。
目を見ると、自然と相手の話に意識が向きます。
私も以前は、お皿を洗いながら子供たちの話を聞いてしまっていました。
今も100%完璧にはできていませんが、手を止めて目を見て話を聞くことを意識したら、心が今に集中できようになってきました。
(4)手帳を使う
私は、家族といる時に仕事のことを気にしないために、「手帳」をいつも持ち歩いています。
家族と過ごしている間にも、以下のようなことが思いついたりするものです。
仕事で使えそうなアイデア
あ、あれもやっておかなきゃ、と気づいたタスク(あの人にメール一本送っておこう、など)
あの件、大丈夫かな…のような不安
こういったものは、全部手帳に書いています。
こうすると何が良いか?というと、「書くと、頭から離れていく」んですね。
人間の脳は、「何かを覚えていよう」とすると、すごくエネルギーを使ってしまいます。
すると、眼の前の家族との楽しい時間も、まったく楽しく感じられなくなってしまうのです。
だからこそ、手帳にメモすることで、脳に「忘れてもいいよ」と許可を出してあげるのです。
そうすることで、脳がクリアになって、目の前に集中できるようになります。
(5)金曜日に、大事な連絡をしない
金曜日が終わると、土日が始まりますね。
土日は、家族で一緒に過ごせる大切な時間。
(であると共に、「子育てより仕事のほうが全然楽」「連勤より連休のほうが大変」と感じる2日間でもあります。笑)
この土日に、余計なモヤモヤを持ち込みたくないので、「金曜日に、大事な連絡をしない」ことを意識しています。
例えば、「大事な案件の提案メール」などですね。
「あの件、どうなったかな?返事来てるかな?」のように、無意識に気になって、目の前に集中できなくなってしまうので、大事な提案は月曜日まで寝かせておきます。
他にも、「お相手に考えさせる連絡メール」なども、送らないようにしています。
私自身が家族を大切にしたいと思うと同時に、お相手にも家族を大事にしてほしい。土日を仕事を気にせずに過ごしてほしい。
そう考えているので、お相手の心労になるような連絡は、しないようにしています。
ここまでで、5つのコツをご紹介しました。
これらを実践していただくことで、心が、過去や未来ではなく、今に集中できるようになっていきます。
しかし、「そうは言っても、やっぱり仕事が気になってしまう…」という方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
そういう時は、以下の考え方を参考にしてみて下さい。
仕事と家庭の両立に役立つ、3つの考え方
(1)家は、ひらめきに溢れている
フルパワーという本によると、『職場でひらめく確率は、たったの16%』だそうです。
驚きですよね。
つまり、ひらめきの84%は、職場以外の場所で起こっている、ということです。
脳は、リラックスしている時のほうが、ひらめきやすいのです。
その昔、アルキメデスが、お風呂に入ったときに水が溢れ、それを見て「水中に沈めれば、そこから溢れる水の量で体積がわかる(アルキメデスの原理)」に気づき、エウレカ!(わかった!)と叫んだ、というエピソードがありますが、これも、お風呂で脳がリラックスしたおかげでしょう。
脳は、ボーっとしている時に、DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)という状態になります。
脳のエネルギーの約70%は、このDMNのときに使われていると言われるくらい、脳にとって重要な状態なのです。
この時、脳は、さまざまな記憶・情報を整理し、つなぎ合わせ、アイデアを生み出してくれます。
つまり、家庭でのリラックスした時間は、仕事にも役立っている!ということです。
そう考えると家族との時間が、仕事を応援してくれているような、すごくありがたい気持ちになりますよね。
ちなみに、これを書いていて、『歩歩是道場』という禅語を思い出しました。
「どこにいても、そこが道場であり、修行の場である」という意味なのですが、つまり、家も「自分の人生のキャリアを積む」という意味で、すごく大事な場所なんですね。
(2)家庭は、仕事のロスタイムではない
私は以前、家族と過ごしている時間を「仕事ができないロスタイム」のように感じてしまっていました。
(今思えば、なんと家族に失礼なことをしていたんだろう、と反省しています)
そんな私は、曹洞宗(徳雄山建功寺)住職:枡野俊明さんの『仕事は仕事の、家庭は家庭の、それぞれのキャリアを積んでいるのです』という言葉にハッとしました。
禅では、「すべてが修行である」と考えます。
それこそ、挨拶・掃除・食事など、日々のすべてが修行なのです。
つまり、家事も育児も、すべて、自分のための修行(キャリア)だったのです。
ちなみに以下は、長男(小学2年生)のメモ帳です。
(長男は、私が手帳を使っているのを見て、真似してメモ帳にいろいろメモしています)
「パパのいいところ」を書いてくれるなんて、パパ泣いちゃうよ。笑
長男の愛を感じるとともに、親である私にしかできない役割があるし、自分にしか積めないキャリアがある、と感じた次第です。
(3)小さな約束のほうが、幸福度が高い
私が大好きな「なぜ、ぼくのパソコンは壊れたのか?」という本があるのですが、その中に、以下のようなことが紹介されています。
ここでいう「大きな約束」とは、例えば「このプロジェクトが終わったら、家族でディズニーランドに行こう!」みたいな約束です。
一方、「小さな約束」とは、例えば「今日は定時で仕事を終えて、家族で一緒に夕食を食べる」みたいな約束です。
なんとなく、大きな約束のほうが家族を幸せにできそうですが、目の前の小さな約束のほうが、はるかに幸福度が大きいのです。
私も、これを知ってから、夜の家族の時間を、今まで以上に大切に考えるようになりました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
それでは、今日の話をまとめます。
【仕事と家庭の両立:一番のポイント】
「時間の配分」ではなく、「心の配分」が大事。
心が今に集中できていれば、たとえ時間は短くても、家族の時間はもっと幸せになる。
仕事は仕事、家庭は家庭。目の前に100%集中する。
【仕事を家庭を両立させるコツ×5】
(1)結界をはる
(2)スマホを物理的に遠ざける
(3)家族の目を見る
(4)手帳を使う
(5)仕事のモヤモヤを、パートナーに話す
【それでも仕事が気になる時は。考え方×3】
(1)家は、ひらめきに溢れている
(2)家庭は、仕事のロスタイムではない
(3)小さな約束のほうが、幸福度が高い
心はいつも、過去や未来に行きたがります。
それを、今に留めてあげましょう。
もちろん、いきなりは出来ないと思いますし、私も今でも修行中です。
3歩進んで2歩下がってるような感覚です。笑
でも、やらないよりも、確実に前進しています。
心のトレーニングは、筋トレと同じだと感じます。
最初は軽いウェイトしか挙がりませんが、トレーニングを続けていると、だんだん重いウェイトが挙がるようになる。
そんな感覚です。
少しずつでもいいのです、一緒にやっていきましょう^^
今日の内容が、あなたの参考になれば、私もとても嬉しいです。
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