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理想のフィルター

自分にはなかった思い出を
理想のフィルターを通して見てしまうんだ。
それに触れるとまたなかったものが呼び戻されて
切なくも羨ましくもなる。

それはないものねだりかもしれないし、
隣の芝生は青いだけかもしれないし、
理想はそれほど変わらないのかもしれないし、
現実は違うからと背けてしまうのも悲しくて
気持ちは行ったり来たりするのかもしれないね。

それでも夢を見たかった。理想を見たかった。
こうだったらもっと違ったんじゃないかって思いたくなる。
どうして自分だけって思う時もあるし、
どうしてそんな風に時は流れたのかと疑いたくもなるし、違う結末のほうが良かったんじゃないかとか考えてもきりがなくて片付かないまま。

思う、思わない、思いたい、思いたくない。
なんだか気持ちがまとまらないんだ。

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