アル中とはどういう人か3

アル中とはどういう人か、と言うよりも今回はどちらかと言うと治し方のようなものを書いてみようかと思う。
これはあくまでも私の治し方であって、万人に受けるやり方では無い。
私は医者から「重度の」アルコール依存症と診断されている。
医者が「重度」と診断するのはかなり深刻な状態らしいのだけれども、この重度のアルコール依存症者の私ですら今は我慢せずに断酒出来ている。

そこでまずアル中の人に言いたいのは、とにかく病院に行け。と。
当たり前の事言うなって?でも行ってないよね?
そうね、精神病院って何か敷居が高いんだよね。
あんなところ頭おかしい人が行く所だと思うよね。
でもね、あなたはもう十分にお酒で頭がおかしいのでその気持ち悪い変な病院に行きましょうねって事。
だってそうしないとマジで治んないんだから。
だけど残念な事にそこまでたどり着ける人すらめっちゃ少ないの。
自分の酒の飲み方が異常だ!!って思ってても、いくら周りに迷惑かけまくっても、どっかでフォローしてくれてる人が側に居ないかい?
「共依存」でググってみてください。
アル中は飲んでる個人の病気だって思ってる人も少なくないけど、この病気は周りに居る人もアル中の共依存者であって治療が必要な場合が多い。
そんな優しさと思ってやってるフォローも実はアル中本人の病を助長してる可能性が高い。
本当は酔っ払いのフォローなんて本人の為にならないどころか、どんどん飲む事の手助けをしてる。
そしてアル中は「否認の病気」って言われるくらい患者自身が認めたがらない病気だから、その周りに居る人が無理やりにでも連れて行かないと病院と中々繋がらないんだよね。
変な人がいっぱい居る病院に行って、診察してもらってそこで初めて治療スタートなんだ。

自宅で晩酌、大いに結構です。ほどほどで済むならね。
でも次の日大事な用事が有るのに二日酔いで行った事は無い?
寝れない事を理由に飲んでない?
何度か自分の飲み方がおかしいな、って思った事は無い?
じゃあそこで禁酒してみようと思っても1周間すらお酒を止められなかった事は無い?
そこでもう十分にアウト。
って言っても行かないんだよね、病院。
認められないんだもんね。
「まだ大丈夫」とか「こんな病気、年寄りがなるもんだ」なんて言い訳して先延ばしにしてるんだよね。
でも気付いて。
自分で飲酒をコントロール出来ない時点でもう十分ヤバいんだと言う事に。

じゃあ…断酒入院する事について少し敷居を低くしておこうか。
まず、アル中はれっきとした病気です。
そして(だから)アル中は本人がだらしないからなんて言う理由では決してありません。
症状の特性とメディアのイメージのせいで確かに世間様の風当たりはキツいのは確かだけど、決して恥ずべき事なんかじゃ無い。
だって病気なんだもん。
ガンになったから恥ずかしい、なんて聞いた事ないでしょ?
一刻も早く病院で治療しなくちゃってなるよね?
だから安心して精神病院に行きましょう。
行けない?だよね。どうしてか。
それは、認めれない。まだ大したことがないから、まだ大丈夫。まだ大丈夫?
そんな甘い事思ってんじゃないよ。
それじゃもう遅いんだよ。
ほんっっとうに!!始めないと何も始まらないんだよ!!
「まだ…はもう!!」なんだよ。
そこまで行かないと始まらないんだよ。
だから、お願いだから病院に行って。
私みたいに本当に多くを失ってから酒を止める、なんてなる前に。

じゃあ、入院するとどうなるかも心配になるね。
当然だけど入院するとお酒は一切飲めない。
あと、こればっかりは人にもよるんだけど、断酒するとすぐに身体的な離脱症状が出てくる。
でも安心して下さい。アルコールの「身体的」な離脱症状は大した事が無いから。
そりゃ断酒したての最初はまぁまぁキツいよ。
幻覚や手の震えにものすごい寝汗、腹の底にずっと力が入ってる感じだとか人によって様々。
だけどさ、強制的に飲めない環境ってすごく大事なんだ。
そこに入院する意味の半分が有る。
だって自分の意思の力だけじゃ数日も断酒出来ないんだもん。
そして「身体的な」離脱症状はすぐに無くなるから。
どんだけ長くても1周間もすればほとんど回復するから安心して欲しい。
本当はある意味ではそこでもうアル中は治ってるんだよ。
一番厄介な部分を除いては。
その厄介なのが「精神的依存」。
みんなこのせいで止められないんだから。
逆に言うと精神的に一切依存していなければ簡単に止められるって断言出来る。
実際のところ私自身がその精神的依存と徹底的に向き合って止めれたから。
ただそれは簡単な事じゃない。「じゃない」と言うより「じゃなかった」と言うべきか。
いざ克服してしまえばもう何てことはない。
でも不思議なことに、それも人によるんだよな。
私はどんな事柄もちゃんと原理や理論を知って対処する。
だからこそ依存症と言うものの原理や理論を徹底的に理解し、その対処法も試行錯誤しながら自分なりに負に落ちるまで色んな方法で、今やっと、しかも楽に止められている。
それを文章にすると禁煙セラピー(アレンカー)みたいに禁煙(タバコです)に書いてる様な方法に似てるんだけど、でもちょっと違う。
私は断酒と同じ理論でタバコも止めた。
依存症って時点で原理は一緒。
酒を止められたんだからタバコだって止めれるでしょって良く言われるけど、なぜか実際両方止められてる人を私はあまり知らない。
そう言う人は「酒を止めたんだからタバコくらい吸ってもっていいでしょ」って言っている。
私も最初はそう思っていたよ。
だけど途中で気付いたんだ。そう言う人のほとんどは「1日断酒」って言って止めてる人達だって。
自分が何で酒を止めれてるか?それは「みんなのおかげです」と言ってる人達。
それも一つの手だよ。
止めないと命が危ない人が「1日断酒」って言って毎日酒を止められてるんだったらそれで良いと思う。
だけど、それは「毎日我慢」なんじゃないだろうか。
飲みたくなる度に毎回「飲んじゃだめだ!!」って自分に言い聞かせてつらくないか?と。
私はイヤだ。楽しくない。
私はタバコも止めた。そもそも吸ってても何も楽しくない。
酒は?これは。。。本当に楽しいかね?
実際止めて今の私の心境で俯瞰してみれば分かるよ。
バカな事やってたなって。
そりゃ一時的にはハイになるさ。それが楽しいんでしょ。でもそれは後日の元気を前借りするんだよ。必ず代償が必ず有る。
飲めば飲むほど不健康になるし、二日酔いにもなる。
大人の食事にはアルコールが無いといけないなんて誰が決めたの?
日本の因習だよ。
おかげさまでこのザマだ。
見てみろ、私を。
子供も伴侶も友達もお金も仕事も失って、それでも酒が手放せなかったんだから。
私に残ったものはこの文章を迷いなく書ける酒社会への憤怒の心とそれに溺れる人達への慈愛の感情。
酒を止めると世の中が見えてくる。
実はこんなんだったって言うのに今まで社会に出てから一度たりともまともに見れなかった世界が。
どうか、さまよっている人に読んでもらいたい。
そして私の様にこの世界の真実に気付いて欲しい。
長くなったのでまた次に書きます。

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