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「サカナとヤクザ/鈴木智彦著 小学館」ビブリオエッセー

《裏の世界は襖の向こう》

「マグロ漁船に乗せるぞ!!」
と、ヤクザ映画には必ず出てきそうなセリフ。

昔聞いたことがある。
北海道のある大きな漁港がある町では、普通の主婦にも覚醒剤が蔓延してるとか。
漁船が海上で取引してくるのだと。
たしかに漁船には税関がない。
簡単に上陸すれば、簡単に出回るのは想像がつく。

築地市場、おっきなネズミがでるのは知られた話けど‥
この本に書かれていることの信憑性を確かめるのは難しいし、そうしたいとも思わないけれど、真実は半分だとしても、かなり「ヤバい」話だ。

へぇ〜っの話は、密漁船からの押収品が公売にかけられて、釈放された密漁船主が買い戻して、又、密漁をするということ。
密漁スパイラルというわけだ。

「押収品、競売」
でググってみたら、国税庁のページにこう書いてあった。
「公売(こうばい)は、原則としてどなたでも参加できる、国(国税局、税務署)が差し押さえた財産を入札などによって売却する制度のことです。」
というわけで、外車とか壺とか摩訶不思議なものが、破格な価格で出るらしい。
まぁ、悪い気の流れのおまけがもれなくついてきそうだが。

「汚いお金をスイス銀行で浄化する」って、テレビドラマの見過ぎだけども、密漁の魚が養殖魚などに紛れ込ませて、汚れた魚から綺麗な魚に変身して、料亭などにも流通しているとか。
知らず知らずに、口に入れている魚が、◯◯団の資金調達に協力しているかもしれない。

サカナに限らず、暮らしの全ては襖一枚で、こっち側とあっち側は近すぎる関係なんだろう。

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