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福祉と一般企業の間にある壁

前回「障害者雇用問題にチャレンジ中」の続きです

「就労環境側が変わることで障害者が幸せに働ける仕事ができるのでは」
という仮説から、世界ゆるスポーツ協会の澤田智洋代表に連絡してみました

特業との出会い

澤田さんは、特業を発案・提唱されています
特業とは、
「一人ひとりの特徴/特技/特性を起点に、世界初の新しい仕事を発明するというチャレンジ」
だそうです

“世界初”と聞くと、なんだか怖いですが、内容を伺ってみると、
その人の特性を起点にした、その方が幸せになるオリジナルの仕事なのではとの感じが強まりました

特業を創り出すワークショップもあるということで、
サイボウズの青野社長+社長室メンバーでワークショップを受けました

つながりがあった障害者手帳をお持ちの方にご協力をお願いし
いざ!

いくつかの質問を事前に渡しておいて
当日は、それらに答える形で、その方の特徴/特技/特性を引き出していきます

ここで大事なことは、
(にわか特業信者ではありますが)
従来の仕事の概念とは一切、切り離して、ご本人の満足(幸せ)につながる行動の本質を考えることなのでは

また、澤田さんの、より適した言葉を引き出す寄り添い方は勉強になります

サイボウズ内では、モチベーション創造メソッドなるものがあり、
「やりたいこと」「できること」「やるべきこと」
で考える癖がついているのですが、
特業は「できること」を究極に昇華させたように感じました

そして、なんと4つの特業がでてきました
「親切ごっこ発明家」「命の炎の守り人」「ティアサポートワーカー」「なごませや」
面白そうでしょう

企業が障害者と関わったら、福祉は無くなる???

さて、特業がリストアップされましたので、
次は、ご協力いただいた方と一緒に、実際に特業(昇華できること)と
「やりたいこと」の重なる部分を仕事にしてみたいと思います

どのような形で一緒に仕事するとよいのでしょう

何から何まで手探り状態なので、
最初に、以下のように設定してみました。
チャレンジ期間を2か月間に、また、就労時間は週20時間未満としました
これは、一緒に仕事する社長室側のリソース、社会保険や雇用保険料、ご協力者の体力的なご負担など、双方にとってハードルを下げようと考えたものです。

この時は、就労継続A型事業所の利用者については、雇用契約があるため、
雇用契約を2重に結ぶのは結構ハードルが高いだろうな、とは思ってました。

ちなみにご協力者は、福祉サービスを受けており受給者証をお持ちです

一緒に仕事するわけだから、2か月の有期の雇用契約を考えたのですが、この受給者証が使えなくなり、その間、福祉サービスとは切り離されてしまうことが判明
また、2か月経過後は再度、受給者証を取り直さないといけないとのこと

これではご協力者の不利益になってしまいます
一般企業が、障害者雇用をしたら、福祉サービスとは切れてしまうんですね
これは知らなかった

障害者と福祉事業と一般企業とが連携して、障害者の状況に応じて働く場所と支援がスムーズに連携されるのが理想だと思うのだけど

そこで雇用契約は結ばず、無償の職場体験という形を考えました
よくあるインターンと呼ばれるものです
これだと福祉サービス(受給者証)は継続できるそうです
一方で、今回のチャレンジの経過や結果はすべて、ご協力者に帰属し
サイボウズ側が、今後の「障害者起点のお仕事創造実験」に活かすことが
できないようなのです

ご協力者もサイボウズも、権利を尊重しながら、今回のチャレンジ中も、
チャレンジ後もウィンウィンになるような契約が理想なんですが。
うーん困った

閃いた!
ご協力者とサイボウズの「共同研究」です
これなら「一緒に仕事をする」実態に適う

ということで、共同研究で進めてみることになりました

福祉関係知識が浅いので、見逃している技や視点、情報があると思います
有識者の方、コメントで教えていただければ嬉しいです

続きはまた、今度

~おまけ

タイミングよく?
厚生労働省「第113回 社会保障審議会障害者部会」2021年6月28日資料1に、就労継続支援と企業就労とのギャップをなだらかにする必要があると表現しているのを見つけました(P21)

確かに、今回のケースもこれにあたりそう
障害者の居場所について、福祉、企業でスムーズな行き来ができるような制度が、整備されることを期待します

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