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世田谷区流のDXを探す旅

世田谷区流のDXって何なんだろう? と考える日々が続いてます
以下、考えをつらつらと書きつつ、ご意見をゆるく期待します

今あるもの

2021年3月発表の「世田谷区DX推進方針Ver.1」があり、2022年4月に既存のIT部門にDX推進担当が加わる形でDX推進担当部(40数名)が生まれました
ちなみに「担当部」というのは一時的な組織を意味するらしく、お役所文化なんだと思います
DX推進方針の3つのテーマとして「行政サービス」「参加と協働」「区役所」があり、そのうち「参加と協働」は、松村が転職を決めたポイントでもあったりします(*以前のnote「サイボウズを卒業します」ご参照)

DXからたどってみる

2022年6月の着任後、いろんな人が、それぞれの解釈で“DX“を使われているので、改めて、以下のように定義し、役所の職員、議員さんら関係者にお伝えしました

区役所のミッション*の効率達成のため、環境変化、技術進化に応じて、業務プロセス、ツール、体制を見直し続けること
 *松村が勝手に定義した区役所のミッションは
 「現在および将来の在住、在勤、在学者の幸せを極大化すること」

今見直してみると、「業務プロセス、ツール、体制」には「サービス」も追加したほうがよいですね。
ただ、ミッションは自治体共通でしょうし、どの組織にも適用できる単なる「DX」です

次に、自治体と民間企業との違いから、DXを考えてみると
以下の二つの違いが大きいです
① 市場が固定され、かつ誰一人取り残してはいけないこと
 世田谷区でいうと、区民92万人の92万通りの幸せな生活を支えるということかと
② サービスが人の生活全般にわたり、かつ、道路や公園など間接的なサービスも含まれること
 世田谷区でいうと、
 図書館やスポーツ施設、保育園、幼稚園、児童館、小中学校、住民票やマイナンバーなどの手続き、感染症ワクチン接種など保健所関係、国民健康保険、国民年金、産業・農業振興、ゴミ収集と処理など清掃、リサイクル、高齢者福祉、生活保護、障害福祉、児童相談所、公園、道路整備、防災、災害対応、消費者保護、人権擁護、選挙運営などなど。
 加えて、少子化、孤独・孤立、脱炭素、経済的分断、ヤングケアラー、高齢者のペット問題など新たな問題がどんどんでてきてます

一方、少子高齢化で働き手はドンドン減っていくので、
92万通りのニーズをいち早く検知し対応しつつ、既存の組織に組み込んでいく柔軟な組織体制をとりつつ、人がやるべきこと以外は自動化・効率化していくことが、DXのポイントになると思います

けっこう大変ですが、役所のサービスがDXで進化し続けたら、メチャ生活しやすくなると思います
自治体DXがワクワクするのは、この辺が理由かもしれません

ただ、これらはまだ、世田谷流ではなく「自治体DX」にすぎません

世田谷区流

では、世田谷区独自のものは何なのか?
・世田谷区の現状(デジタル化途上、職員1万人超、区/地域/地区の3層構造など)はそう
・価値観(区の基本構想や基本計画)もそう

基本構想(~2033年)にある9つのビジョンが価値観に該当しそうです
また、現在、検討中の次期基本計画(2024年4月~)は、基本計画審議会(民間有識者と区民)で提言作成中です
ある委員さんが基本計画の共通テーマにと提案された
「あらゆる世代が住み続けたい世田谷をともにつくる」
が、基本構想の9ビジョンをうまく表現しており、個人的にヒット

世田谷区役所内で頻繁に使われ、また上記DX推進方針Ver.13大テーマの一つでもある「参加と協働」をうまく表現してる、と感心します

ここでポイントになるのは“ともにつくる”というところ
最近よく耳にする
私たちのことを私たち抜きで決めないで(Nothing About us without us)
にも通じます

ともにつくる」ためには、情報格差が少ない透明性対等な立場で対話できるつながり、そして安全安心な場の4つが必要だと思います
役所内でも、区民も入ったAll世田谷でもこれら4要素を実現できると世田谷区流DXになるのでは、と思います

引き続き、世田谷区流DXを探す旅を楽しみたいと思います

おまけ

先日、世田谷区のひきこもり家族会「世田谷はなみずきの会」の代表の方とお話したところ、高齢の親世代(会員さん)にもzoomなどで講演会や月例会など配信したいけど、技術的にできる人がいないと、嘆いておられました
デジタル技術や機器が、こういった人たちを少しでも楽にできたらと願っております

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