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「エモい」をIV-V-Iからさらに表現する

最近あまり以前ほどは聞かれなくはなりましたが、楽曲表現に「エモい」という言葉があるようです。正直私には曲のどの様子のことを指し示すのかがわからないので、言う人に聞いてみると単に「叙情的」「感情に直接訴える」などと教えてくれました。これ、結構作る側に人間が使っているのですが、一体曲の「何が」「どうなっている」とエモいのか、それを説明してくれる人はいませんでした。

たとえば、コード進行において

F - G7 - C

と終止基本形から

Dm7 - G7 - C△7

へと変えると「エモく」なっているのでしょうか?
ワタシ的には7thコードに変化させたことによる響きの豊かさ、IVの機能代理でIIを使うことでマイナー要素の付加にてコードクオリティ種が増えて「感情に訴える要素が多い」と感じています。

さらに、ここから「私が考えるエモいと思われる要素」を足していってみます。

上部構造のテンション付加にて更にきらびやかさを増します、さらに…

Dm7(9) - G7(9,13):C#7(#9b13) - C△7(9)

C#7(#9b13)というG7(9,13)に対する代理オルタードコードを入れることにより、すこしブルージーな雰囲気が加わり深みがましてエモくなります。

さらにもっともっと入れまくると

Dm(9) | D∅7(9):A♭7(9,13) | Gm7・G♭7(#9b13) ・F△7 ・Fm△7 | Em7(9)・A7(9,13)・E♭m7(9)・D7(#9b13) | Dm(9) | Dm(9)/G | C#7(#9b13):C#+△7(9) | C△7(9,13)

モーダルモーションから代理Lydian7th、クロマチックモーションかつセカンダリードミナントのII-V化にてVの裏でV♭オルタード。IVからモーダル、II-Vのクロマチック連結、最終的なII-VからVsus4発展、その裏オルタードからモーダルでII♭Lydian#5にてクロマチックモーションでI△7に解決。

以上の事が音楽理論をしっかりわかっていれば「状況別、深度別、好み別にて『エモさ』の分類と利用法を識別」させることが可能になります。

音楽理論はしっかり学べば決して難しくはありません。
しかし、市販の本にて独学で学ぶのはほぼ無理です。なぜなら市販の本はとても難しく書いてあるから、そして、「誰でもわかる」のたぐいの本は全然実践までは書いていないからです。上記説明の5%にもたどり着けないでしょう。

私の運営するNPO法人Music Planzにては、上記の実践的作曲用音楽理論を全てテキスト公開しています。

興味のある方はぜひ御覧ください。

http://musicplanz.org/academy/textbooks

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