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【俳句幼稚園】~二本松藩墓前祭にて

このところ、俳句から少々遠ざかり気味です。いや、俳句に飽きたわけではなく、ちょっとした心境の変化……とでもいうのでしょうか。
松山市の俳句ポストは割とちゃんと出しているのですが、三月にnoteで震災句を詠んだ際に、「被災者マウント」と揶揄されたのが、何気に堪えていたような気もします。

実は本日29日、二本松の「墓前祭」に出席してきました。

睦会の懇親会では「第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト」を始め、今までの二本松藩関連で詠んだ句を(僭越ながら)お配りさせていただいたのですが、やはり本日改めて詠まないでどうする!

そんなわけで、詠んでみました。

露伴忌ろはんき亀谷坂かめがいざかに息を継ぐ

これは、明日30日が露伴忌であることにちなみ詠んだものです。

実は幸田露伴のPNは、露伴が二本松で行倒れそうになった?ときの思い出から、考案したと伝えられています。

この舞台となった亀谷坂は、二本松市内にある急坂。いや、二本松の郭内(要するに昔の城趾)に行くには、どこも急な坂を登らなければならないのですが。

そんな露伴への、オマージュ句とでもいうのでしょうか。


空蝉うつせみ末葉まつばの声の届かなむ

ここで言う「末葉」は、子孫のことです。29日、二本松少年隊を始め、多くの藩士らが眠る「大隣寺」(丹羽家菩提寺)。今年はやや曇り空ながらも、それほど暑くない午前中に開催され、僭越ながら私も焼香をさせていただきました。
そして約160年前の先祖等に、令和の子孫の声が届けばいいなあ……なんて、思った次第です。


安達野にかげろふの舞ふ昼下がり

私が二本松の句を詠むときによく登場するのが「安達野」。かげろうは初秋の季語ですが、実際の落城は秋の話なので、まあいいかな?と。
古語だと「かげろう」は、蜻蛉も意味するそうです。

ちょっと歴史的なトリビアになりますが、「とんぼ」は「前にしか進めない」ということで、よく兜の前立のモチーフなどになっている縁起物だそう。

そのイメージを借りて、これも「想像句」として詠んでみました。


#俳句幼稚園
#慰霊
#二本松藩

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