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土地の味は地元民同士の支え合いで

浅生鴨さんと田中泰延さんの「東北ツイート聞き語り旅」で、相馬市のヤマブン醤油さんのお話も出てきました。
(4日目、5日目)

ちなみに、田中泰延さんが3年前に被災地を訪れた時の様子はこちら。


4日目配信の終わりギリギリで、田中泰延さんが2018年に訪れた相馬市駅前にある「江戸一」さんに何とかたどり着けたのですが、5日目に、「江戸一さんでもヤマブンさんのお醤油を使用している」というお話をされていました。

そのお話を聞いて思い出したのが、私が「ヤマボシ醤油」さんにお伺いした時のエピソードです。

この記事中で引用した、食料産業局長賞の受賞者欄をもう一度見てみましょう。
この記事を書いた際には分かりやすいようにヤマボシ醤油さんの部分のみマーキングしましたが、その2つ上に「ヤマブン本醸造特選醤油」(合資会社山形屋商店様)があるのがお分かりでしょうか。

記事中では、ヤマボシ醤油さんの商品が地元で使われている例として、分かりやすく「白河ラーメン」を挙げていますが、実際には料亭などでも使用されているとのこと。
きっと、相馬の山形屋さんも同じように、「江戸一」さんを始めとする相双地区(そうそう地区:福島県では相馬地方と双葉郡を合わせてこのように呼ぶこともあります)の台所を支える、縁の下の力持ち的な存在なのでしょう。

2.13の地震では本当に甚大な被害を受けられたようで、地震の2日前にヤマボシ醤油さんで取材をしてきたばかりの私は、安易に「大丈夫」とも「頑張って」とも言えない思いで、ニュース記事を読んでいました。

実は、ヤマボシ醤油さんの記事を書く際に悩んだのが、「以前の姿の情報のみ伝えるか」、それとも「現状の製造方法も伝えるか」ということ。
読者目線で言えば、伝統製法に基づいた前者の方が「読者受けは良さそう」とは考えていたのです。

ですが、例えば「壊れた蔵の再建費用」って、どれくらいかかるかご存知でしょうか。
何と、蔵を一棟建てるのに家を一軒建てるくらいの費用が必要なのだそうです。しかも、数年がかりで建築するのも珍しくないとのこと。
ヤマボシ醤油さんの取材を通じて得た知識ですが、それを知ってしまうと、とても安易に「頑張って」「伝統を守って」と、口にすることは出来ません。

Twitterでも言いましたが、「読者の都合に合わせて昔の姿のみを伝えるのは、失礼ではないか」と。

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結果として、「福島方式」を紹介することに決めました。県内全部の蔵元を知っているわけではないのですが、福島方式に助けられている醸造元は多いのではないでしょうか。全国の醸造の近代化モデルの先駆けとなった製造方式ですが、利用者のノスタルジーだけでは語れない、もう一つの生産の在り方とも言えるかもしれません。
さらに取材中に非常に印象的だったのが、ヤマボシ醤油さんの山形屋商店さんへのリスペクトの姿勢です。
非常に、同じ県民らしいというか(笑)、県内同士のライバルというよりも「チーム福島」として一丸となり、チーム福島での受賞を狙っている印象を受けました。

せいぜい、私に出来るのは美味しさをせっせとPRするくらいなのですが、千葉からわざわざ故郷の味を求めて取り寄せるお客様がいるヤマボシさんと同じように(実話)、ヤマブン醤油さんの味を待ち望んでいる人も、大勢いるのでしょう。

県内にも、県外にも。

最後に、もう一度宣伝を兼ねて、MIDETTEのヤフーショッピングのリンクを貼らせていただきます。
私が宣伝したヤマボシ醤油さんも、今回大きな被害に遭われた山形屋商店さんも含まれています♪


利用者のわがままだとは思いますが、山形屋商店さんへの支援も兼ねて、購入して頂ければ幸いです。

※今日のアイキャッチは、相馬野馬追。手元に写真がない福島の記事は、基本的に「福島のフォトギャラリー」などから画像をお借りしています。

これまで数々のサポートをいただきまして、誠にありがとうございます。 いただきましたサポートは、書籍購入及び地元での取材費に充てさせていただいております。 皆様のご厚情に感謝するとともに、さらに精進していく所存でございます。