日本語指導ボランティア日記4
6月5日
日本語でおk。2人の会話が分からなくなっちゃった。
前回に引き続き、中国出身の方の指導が続きます。
ボランティアの数が足りず、
いつものAさんと、新しくお会いする中国出身のBさん、
2人を同時に教えることになりました。
申込書を見ると、Bさんは昨年4月に来日。
「僕あんまりできないです、N5※です」と謙遜しておきながら
私の言った日本語を、スラスラとAさんに通訳するのです。
どうか正しいレベルを申告してください…。
※ N5=日本語能力検定(英検の日本語版)の、最も初級のレベル
指導の途中、Bさんから、
「先生、ここの受け身が抜けています」とご指摘いただいたり、
「これは過去完了ですね」とご助言いただいたりしました。
私は、顔を真っ赤にし、小声で感謝を述べました。
◇
さて、今回も文法の質問受け付けから開始。
「いつものテキスト」があれば私もラクなのですが、
毎回フリースタイルで、しかも今回は異なるレベルの2人を
担当するということもあり、総合格闘技のような状態でした。
最初の質問でAさんから、
「切ったった」とはなんですか?と聞かれました。
あまり丁寧ではない言い回しかも、と前置きしつつ分解をしてみせます。
早速の変化球で内心は汗タラタラ。
現場では間違って教えてしまったと思うので、振り返ります。
ネットでさらに調べたところ、理解の深まる説明が出てきたので、
それを参考に自分で追加説明をまとめてみます。
ほかに「食べちゃった」ってどういう意味ですか?
という質問も飛んできました。
チャッタ…。
よし。分解してみましょう。
完了の文形で、食べるという行為がもう終わっている状態を指します。
N4レベルの文法表現として登場するようです。
まだまだ話題にしたいトピックがあったのですが、
連載にしてもいいボリュームなので今回はいったんここで。
授業中、Bさんも一緒になってAさんに解説をしてくれました。
私も心配になり、「Aさん、わかりましたか?」と聞くと
Aさんより先にBさんが
「勉強が足りてないです」
と、ド直球な答えを返してくれました。
これは語彙がないからなのか、小さなマウントなのか…。
言葉の壁と文化の差が正確な理解を妨げます。
しかしBさんも、無双状態ではありません。
使役動詞の活用などはまだ正確でない部分があり、
(手を洗わさせれる(誤)←手を洗わせられる(正))
また、発音もラ行がグダッと崩れる節がありました。
ここらへんが中〜上級の方への指導ポイントなのかなと感じつつ、
今回はあまり教えられなかったことが悔やまれます。
中国出身の2人とあり、互いに中国語で話すおかげで
先生である私が置いてけぼりの時間が3分の1ほどありました。
不思議なことに、うん、うん、と自分も分かるふりをしてしまうもので、
妙に体力がすり減り、クラスの終了時は疲労困憊でした。
無意識に同調しようとするのは、日本人気質なのかもしれません。
身近な場所でディープな異文化交流が行われているので
もう少し息子が座っていられる歳になったら
連れていきたいと思います。
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