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3ヶ月間のバイオメカニクス基礎講座で伝えたかったこと

9月〜11月末まで13週間におよぶバイオメカニクスの基礎講座が無事におわりました。最終的には34名の方にご参加いただき、バイメカへの関心の高さがうかがえます。

タイトルは【Biomechanics for Real Life】。力学的な解説はもちろんのこと、立つ・座る・歩くといった日常動作から、力と動きの関係性をひもといていきました。


単純にバイオメカニクスというと学問的な部分が大きく、実生活やトレーニング指導に結びつけられないという話しを聞くことが多いです。

◉モーメント
◉床反力
◉ニュートンの法則
◉グラフの読み取り

などはまさに力学の典型で、ここの理解がまず難しくなるのも一つ。そして、それが身体にどう影響しているのか、そこから身体がどう反応するのか。

そのあたりまでイメージできるようになって、ようやくバイメカを活かすことができたと言えるかもしれません。


実際に今回の講座で心がけていたことは、

◉物理の専門的な表現をできるだけ使わない
◉力ありきではなく動きありきで考える
◉動きは画一的なものではないことを伝える

といった点。


バイオメカニクスというと、【正しい動きを知る】【効率的に動く方法を身につける】といったイメージがあるかもしれません。

確かにその通りではあるものの、一方で私たちは生活する上でさまざまな代償をともないながら生きています。

それをエラーパターンと言ってしまえばそれまでなんですが、そのエラーパターンを直すことばかりにフォーカスしてしまうのもちょっと危険。

なぜそのエラーパターンが起きているのか、それを改善するにはどうすればいいのか、どこまでなら許容できるのか、ということはまず考えておく必要があります。

動きだけを見てそれを直そうとしたところで、ほぼ直りません。意識するだけで直ったらみんなプロの選手になれます。


身体にはたくさんの関節がついていて、それらをうまく協調させながら一つの動きを成り立たせていますよね。動きの最終形は同じでもそこにいたる過程はさまざまな動かし方があります。

その過程は人それぞれであり、その動きのパターンを理解するためにバイオメカニクスを活用して考えの幅を広げていきましょう。

10人いたら10通りの動き方があって当たり前。型にはめるトレーニングではなく、型のパターンを広げるトレーニングに。そうなったら嬉しいです。

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