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もっと効率よく動けるようになりたい

トレーニング指導をしていると、聞かれることが多いことの一つです。もちろんそのためにコンディションを整えて、トレーニング指導をしていきます。

効率のいい動き、とかムダのない動きという時の『効率』って便利な言葉だと思ってます。ここで言う効率とは、どういう意味なのか。これを少し考えていきます。


機械的な話しから考えると、効率とは

なされた仕事の量とそれを行うのに要したエネルギー量との比のこと。費やした労力に対して、得ることができる成果の割合。

のこと。つまり効率がいいとは、少ない労力でこなせる仕事量を増やすことです。


これをスポーツの動きの中で考えてみると、効率のいい動きとは、
エネルギーのロスなく自分が持っているポテンシャルを最大限生かすこと
と言えるのではないでしょうか。

一つの動きを完結するためには、
内力の発生→地面に伝えて反力を得る→推進エネルギーに変換する
という流れになっています。

その流れの中で、できる限りロスを少なくすることが大切で、逆にいえばどこでロスが起きているかを知ることができれば対策も立てやすくなります。


力の発生

まずは内面で力を生み出す時。できるだけ多くの筋線維を動員したいですし、できる限り早く力を立ち上げたいところです。

また、メインで動く筋肉だけでなく協働で動く筋肉もあると、無駄なエネルギーを使わないで済みます。


逆に主働筋の裏側にある拮抗筋はリラックスしている必要があり、拮抗筋が緊張していると主働筋の収縮を阻害するので無駄なエネルギーを使ってしまいます。

力の発生の場合は、大きな力を生み出すだけでなく、力の阻害をしないことがポイント。


発生から出力

力を生み出したら、地面に力を伝えてその反発力をもらう必要があります。

例えば足首の部分でフニャッと力が抜けてしまうと伝達の部分でロスが生じてしまいますし、アライメントに問題があると力の方向(ベクトル)が適切ではありません。


逆にアキレス腱の弾性エネルギーをうまく使えるようですと、ロスなく(もしくはそれ以上)力学的エネルギーに変換することができます。

ちなみにカンガルーは歩いている時に比べると、走っている(跳んでいる)時はほとんどエネルギーを消費しません。これはアキレス腱の弾性エネルギーのおかげです。


出力からパフォーマンスへ

大きな地面反力を得たらそれを推進エネルギー(パフォーマンス)へと変換します。

せっかく地面から大きなエネルギーを得ることができても、推進力に変換する際に体がたわんでしまったり、へっぴり腰で力が逃げてしまったらうまく前に進むことができません。

これもエネルギーのロスです。


体幹トレーニングはこのロスをなくすために行われているもので、いかに安定した体幹を得るかでパフォーマンスは決まるといってもいいのではないでしょうか。

ただ固めるのではなく、臨機応変に動かせる体幹。これがパフォーマンスアップに欠かせません。


このようにどこでロスが起きているかがわかれば、それぞれに対応したトレーニング指導をしていけばいい、というわけです。

アライメントが問題になるかもしれませんし、緊張の緩和が必要かもしれません。正直、対処法は人によって千差万別です。

まずは選手の体をしっかり見極めることが第一課題。その上で、コミュニケーションを取っていくと問題解決も意外とスムーズにいくかもしれません。

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