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vol.35 写真の構図 明るさを用いた視線誘導


こんにちは。
さて今回はまた構図のお話をしていきます。

このnoteは写真を0から始める方向けマガジン「始めよう、写真」の記事です。初めてご覧になる方はぜひvol.1からどうぞ。

お話をする前にまずはこの画像を見てみましょう。

モノクロのグラデーションの写真です。
さて、この画像を見たとき皆さんは明るい部分と暗い部分、どちらに気を取られたでしょうか?

おそらく多くの人が明るい方に気を取られたのではないかと思います。
これは人の脳が明るい・見やすい方を見る傾向があるためです。

今回はこの人間の目、脳の傾向を利用する、「明るさ」を使った構図を説明していきます。

視線誘導

先ほどのグラデーションの写真を右から左にかけてみたように、視線を写真の明るさで誘導することができます。このことを視線誘導と言います。
この視線誘導を使って写真の構図を作ると、自然と人の目を誘導して写真を見せることができます。
 

この写真では、手前の橋の部分に強く光が当たっています。
そのために、まず視線は手前の橋に注目します。そして橋をなぞるように奥へと視線を移していきます。その後、橋の右下の遠くの島に目が行くと思います。
橋に光が当たっていることによって自然と奥へと目線が流れるようになっています。  

またこの写真では、手前の落ち葉に光が当たっています。そうすることで注目されるのは奥の滝よりも手前の落ち葉になります。
以前までの説明で頻繁に出てきた前景ですが、構図に明るさを組み合わせることで、前景を主題にして、後景を副題にすることもできます。 


また、滝の水の流れも明るさを使って視線誘導ができます。
主題の奥の滝の部分は明るいですが、この写真の前景部分の水の流れに着目してみてください。
中央部分が他の場所と比べて少し明るくなっているかと思います。
これは現像作業で中央から下へ流れる部分の流路だけを少しだけ明るく補正しています。
このようにすることで、奥の滝で流れてきた水が、手前まで流れてくる雰囲気を作っています。

このように、人の目は明るいところに着目しやすいという習性を利用して、写真の明るさを使って見る側の視線を誘導し、1枚の写真を見せる方法があります。

僕は現像作業などで明るさを補正する際には、この1枚の写真のなかにストーリーを描くイメージで作業しています。

見る手に写真をどう"魅せたい"か。という点を考えて写真を撮るとまた違った作品が生まれるかと思います。
ぜひ挑戦してみてください☺️


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