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vol.58 メーカー別機種紹介【SIGMA編】

このnoteは写真を0から始める方向けマガジン「始めよう、写真」の記事です。初めてご覧になる方はぜひvol.1からどうぞ。


こんにちは。
今回も引き続きメーカー紹介です。今回は、カメラよりもレンズに比重を置いているメーカーのSIGMAです。

SIGMAはカメラを始めたばっかりの人は知らないかもしれません。SIGMAは福島県にあるレンズ交換式カメラ向けのレンズを生産している会社です。他社がつくらないような焦点域のレンズや、純正と比べ低価格なレンズなどを生産しているメーカーです。また、カメラも生産しており、このカメラが他社とは少し違う路線を進んでいるのもとっても魅力がある会社です。


SIGMAが開発するカメラ

SIGMAは、他社が発売しているカメラとは少し違う趣向です。

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これはSIGMA fpというフルサイズセンサー搭載のミラーレス機です。世界最小、最軽量のフルサイズ機で、非常にコンパクトなカメラです。
アクセサリーも豊富にあり、自分にあったカメラに組み替えることができるという点も大きなポイントです。

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写真はもちろん、動画にも強く、広い需要に対応しているカメラです。

またこのほかにも、SIGMAはカメラを生産しており、ここからがSIGMAの本題でもあります。
SIGMAは、数あるメーカーの中でも唯一、"Foveonセンサー”というセンサーを搭載しています。このFoveonセンサーは他社が搭載しているセンサーとは大きく違う点があります。(画像はSIGMA HPから引用)

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右がベイヤーセンサーと呼ばれる、いわゆる通常のセンサーです。大抵のカメラは右のベイヤーセンサーの基本構造で作られています。

対してSIGMAが採用するFoveonセンサーとは、左の図のようなセンサーです。この違いがわかりますか?

そもそも写真は光の色情報(RGB)を記録しています。色を記録するためには、それぞれの色に対応したダイオード(受光素子)を用意する必要があります。

右のベイヤーセンサーでは、RGBの色情報を得るためにそれぞれRed、Blue、greenを規則的に散りばめて色の情報を記録しています。

反対に、左のFoveonセンサーは、この受光素子を積み重ねることで光を記録できるようになっています。
この図のように積み重ねると、Blueだけに光が届き、Red、Greenは光が入らないように見えますよね?でもこれは全く問題ありません。
光は色によって波長の長さが違うという特性があります。(ここでは簡単な説明として)波長の長いものほど遠くに届きます。Blue<Green<Redの順で波長の長さが長くなるので、順に吸収されていくため問題がない仕組みになっています。
これが、ベイヤーセンサーと比べてどう変わるのか。

先ほどの画像で、右のベイヤーセンサーでは、情報が取れていない受光素子があるのはわかりますか?
カメラは、基本的にGreenで取得したデータがベースとなって画像データを生成します。そのため、画質などはこのGreenにかかっているといっても過言ではありません。

Foveonセンサーとベイヤーセンサーを比べると、ベイヤーセンサーはGreenの素子が全体面積のうち50%しか使えていないことが分かります。
しかし、Foveonセンサーでは100%使えます。
これをわかりやすく言えば、Foveonセンサーが1500万画素とすると、これと同等にするためにはベイヤーセンサーでは3000万画素が必要になってくるというわけです。
さらにベイヤーセンサーでは足りていない部分の情報を他から得た情報で補間処理を行いますが、FoveonセンサーではRGBすべて100%で色情報の取得ができちゃいます。純度100%というわけです。

そのため、ベイヤーセンサーでは表現が難しい色の奥深さだったり画質の良さだったりと非常に優れています。
じゃあ、なぜこのFoveonセンサーは他社で採用されないのか。
それはFoveonがSIGMAの子会社が特許を持っており、SIGMAでしか使えないということもありますが、1枚の処理に時間がかかることと、高感度にめちゃくちゃ弱いことが挙げられます。
まだまだ開発途中のセンサーではあるのでデメリットも多く一部ユーザーのみにしか使われていないのが現状ですが、それでも高い色表現力を持つFoveonは魅力的です。

ここからはそんなFoveonセンサー搭載機種を紹介していきます。(ちなみにfpはベイヤーセンサーです)

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sd Quattro sd Quattto H

この2機種はFoveonセンサーを搭載するレンズ交換式ミラーレス機です。
通常版のsd Quattro、高画素モデルのsd Quattto Hがラインナップされています。
どちらもFoveonの魅力を最大限引き出すカメラです。

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これらはレンズ一体型のFoveonセンサー搭載機種です。
dp0,dp1,dp2,dp3の4種類があり、レンズの焦点距離が順に14mm,19mm,30mm,50mmと違います。気軽にFoveonセンサ-の画質を味わうことができるカメラです。

SIGMAが開発するレンズ

さて、SIGMAといえばこっち。
レンズ群です。
ラインナップが多すぎるので紹介は軽くで終わりますね。

SIGMAのレンズは、おおまかにContemporary,Art,Sports,otherで分けられています。

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Contemporaryは、高性能、しかも小型軽量で、オールマイティなレンズ群です。価格もかなり抑えられている製品もあり、手軽に様々な焦点距離のレンズが手に入ります。

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Artは、圧倒的な描写性能で、表現者のためのレンズと題されています。描写に力を入れたレンズであるため、描写能力は素晴らしいですが、そのかわりにサイズ、重量、価格が犠牲になっています。

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Sportsは、高度で確実な運動性能であり、アクティブな高性能レンズと題されます。Sportsということで、防塵防滴構造や、Art並みの画質性能を持つレンズ群です。

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また、他社が絶対開発しないようなレンズもSIGMAは生産しており、ごく一部のユーザーにとってはなくてはならない存在です。

SIGMAは、このレンズたちを他社のマウントにそれぞれ合わせて開発をしています。Canon、Nikon、Sony、Panasonic、Laicaなど多くのメーカーに対応しています。

今回はSIGMAについてご紹介しました。
他社が絶対やらないような製品でも作ってしまうとても面白いメーカーです。ぜひHPを覗いてみてSIGMAの特殊さを見てみてください。

次回はその他の会社についてまとめていきます。 

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