vol.65 RAWとJPEGのレタッチ耐性を比較してみた
このnoteは写真を0から始める方向けマガジン「始めよう、写真」の記事です。初めてご覧になる方はぜひvol.1からどうぞ
みなさんこんにちは。
さて、今回は、以前のnoteでも話しましたRAWデータとJPEGデータの違いをレタッチの観点から解説していきたいと思います。
そもそもRAW、JPEGってなんだ?という方々はこちらのnoteをみてもらえるとより理解しやすいかと思います。
以前のnoteでもお話したようにJPEGよりもRAWの方がレタッチ(現像)する場合は向いています。
しかし、なんとなくイメージが湧きにくいかなと思いますので、実際にJPEGとRAWの違いをレタッチを通してふか〜く理解していこうと思います。
比較①
元データはこちら。
このデータをRAWとJPEGでそれぞれいじっていこうと思います。
ではまず、RAW現像をやってみます。
とりあえず、山の部分を明るくするために、シャドウを持ち上げてみようと思います。
とりあえず、シャドウを+96、ハイライトを-28をやりました。
これと同じ調整をJPEG画像にも行いたいと思います。
全く同じ補正をかけたJPEGがこちら。
自分でもやってみてびっくりしました。
こんな違うとは…
並べてみるとこんな感じ
シャドウ部がRAWでは持ち上がり、色情報もしっかり残っているのに対し、JPEGは全く持ち上がっていないことがわかります。
さらに地平線のあたりの部分、ハイライトを落としているので、RAWはハイライトが下がっているのに対し、JPEGではあまり下がっていないことがわかります。
RAWデータは写真の生データというだけのことはありますね。
比較②
では次に、あまり明暗差の少ない写真で比較してみます。
これを今回はこのような調整をしてみたいと思います。
露光量を+1.15、コントラストを+95、シャドウを+35してみます。
並べてみるとこんな感じ。
あまり明暗差が無い写真であればJPEGを補正しても、過度な補正でなければあまり違いはわからないですね。
ただ、やはり山の斜面(シャドウ部)の色がちゃんと残っていないせいか、JPEG画像の方は少し暗めになっていますね。
撮影したデータの色を正確に忠実に再現するためには、やはりRAWデータがいいことがわかります。
比較③
次は、グラデーションをみてみたいと思います。
元のデータはこちら。
これをこのような補正をしてみようと思います。
そして並べてみるとこんな感じ。
空のグラデーションの部分をみてもらえるとよくわかるのですが、JPEGのデータの方に、少し段々になった階調が見えるかと思います。
これは、「トーンジャンプ」といい、階調が失われてしまう現象です。主に色情報のデータ不足で発生する現象です。RAWデータでは、あまりトーンジャンプが発生していないのに対し、JPEGではかなりはっきり見えるかと思います。(わかりやすいように明瞭度を高めています。)
さて、今回は3枚の写真を用いて今回はRAWデータとJPEGデータを比較してみました。レタッチをする前提の場合、RAWで撮影しておいた方がいいということがわかったかと思います。
データサイズは大きくなりますが、それ以上にレタッチでとても役に立つのがRAWデータです。
まだRAWで撮ったことが無い方、レタッチしたことが無い方は、ぜひRAWを使ったレタッチの面白さに触れていただければと思います。
ではまた。
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