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絶望反駁少女 希望のビジュタリア Ⅰ-9
不穏
お嬢様のお色直しを控室の前で待っていたオレを横切ったのは──マグナ・アウストラシアの代表一団と、その輪の中心、オクタヴィア・アウグスタ。
わざと聞こえるように言ったのだろうが、オレはそいつらの会話を一言一句、聞き逃しはしなかった。
「あれでよかったのですか? オクタヴィア様……?」
「大国のプライドをかなぐり捨ててまで国際社会に泣きつくなんて、涙ぐましい『外交努力』ではありませんか。事実上の敗北宣言ですよ、あれは。ルクソスもビジュタリアも、恐るるに足りません」
「た、確かに……」
「わたしたちは悠然と、お手並み拝見としゃれこもうではありませんか。まあ、遠からず気づくことになるでしょう。彼女が縋ろうとした『希望』に、道などないということに──」
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