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AIが人を裁く世界は、より人間味があふれるようになる

20年後の世の中は人が裁判をすることは少なくなっているでしょう。AIが代わりに判決をくだすようになっているはずです。

AIが人を裁くと聞くと機械的で人間味のなく感じるかもしれません。ですが私は逆だと思っています。AIが裁判する世の中は、より人間味があふれ道徳的なものになるはずです。

ではそのいきつく未来について考えてみます。

なぜAIが進むとより人間味がでてきるのか?

人間味がでてくる理由は、一つ一つの案件に時間をかけられるからです。

裁判の流れは、まずAIで自動判定して不満があれば上告して現在と同じように人が判断することになるでしょう。

AIを導入して80%が自動判定できれば、残りの20%に時間をかけられます。つまり一つの案件に5倍の時間をかけられるのです。

ではいったい人は何を裁判で議論するのでしょうか?法律に基づいた判断や事実関係の確認は人間よりもAIの方が得意です。

そうなると法律や過去から考えた話し合いはあまり重要ではなくなります。AIは過去の何万という事例から法律を元に判断しているからです。

裁判では法律や事例以外の部分、すなわち個人の気持ちやその人を取り巻く社会環境に向き合うことが裁判の主題になるでしょう。

こう考えてみるとAIが発展したほうが人間味がでてくると思いませんか?

自動車事故の場合はどのような裁判になるのか?

AI化されたときの流を自動車事故の例で考えてみます。事故が起こった場合2つの判定軸があります。それぞれの場合について見ていきます。

  • 相手と自分の過失割合の決定

  • 次に事故をおこさないようにするためのペナルティ


相手と自分の過失割合の決定

これは客観的な事実で決まります。ドライブレコーダと車のセンサーから事実を集められるからです。過失割合が自動で決まるようになります。

もちろん事実関係が異なることがあるでしょう。ですが、それは次第に少なくなっていきます。上告された情報をもとに、AIの改善や正確な判断に必要なセンサーが車に搭載されるようになるからです。

次に事故をおこさないようにするための罰則

賞罰は次の事故を減らす目的で行われます。自動車では罰金や違反点数にあたります。

では違反点数と次の事故の確率に関係性はあるのでしょうか? 悪いことをしたら罰をうけるべきというのは、心情的には同感できます。ですが本人や周りの人が同じ過ちをしないようするのが本来の目的です。

例えばスピード違反をしたときに罰金と違反点数を課すのは目的にかなっているでしょうか? 会社から無理な配達時間を守るように、強い指示があったからかもしれません。嫌なことがあって気分を発散したかったという理由もあるでしょう。

理由が違うので、人によって有効な解決方法は異なります。会社の環境を指導したり、カウンセラーを受けてもらった方が有効な予防策のこともあるでしょう。

今は個人の事情まで考えられるほどの余裕はありません。ですので、万人に共通の効果が期待できる罰金と違反点数が使われています。ですが、個人の事情まで自動で判定できれば話は変わります。

AIが発展すると、情報を蓄積していくことで個々の事情にあわせた対策をだせるようになります。一度スピード違反を犯した人が、次にまたスピード違反を犯す確率。そして、再犯する人としない人の特性の違いは何があるかということ。このような情報の積み重ねで、より個人の事情にあった解決方法が提示されるようになるでしょう。

これってやっぱり人間味がでてくると言えませんでしょうか?

まとめ

AIが人を裁くようになったら、より人間味がでてくることを見てきました。

  • 人の判断が必要な案件に時間を多くかけられる

  • 法律や事例以外の部分に議論を集中できる

  • 多くの過去の事例から、再犯をなくす観点で個人にあった解決策を提示できる

AIが裁く世界になると、法律やルールより幅広い部分に力を入れられることがわかります。つまり法律やルールといった杓子定規な基準でなくより柔軟で、あいまいなものになります。

それは、道徳の授業で習った内容や宗教に近いものかと思っています。同じ文章を読んでも人によって解釈や取るべきと思う行動は違う。でも、社会全体としてみんな同じ方向を見て共有している感覚です。

AIが人を裁くようになるという世の中は、そんな人間味のあふれるようになるはずです。

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