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小中学校の授業は動画講座に切り替えるべきでは?

長女の授業参観に行きました。先生が教室の前に立って、30人ぐらいの前で授業をしています。そこには30年前と変わらない授業風景がありました。

懐かしく感じると同時に違和感がありました。大きく世の中が変わっているのに、昔と同じ時間が流れているのです。

授業を現代風に思い切って変えたらどうなるのか? 今回は授業を全部動画に切り替えたときのメリットについて考えてみます。

未来の姿

私は授業は動画にして学校で教える必要はないと思っています。スタディサプリを知っている方はそれを思い浮かべていただければわかりやすいでしょう。スタディサプリは、家で授業動画を視聴できる学習サービスです。

動画学習は各家庭で行います。学校では体育、理科の実験、ディベートなど先生の力が必要な授業を行います。それが私のイメージする動画学習です。

動画授業で得られるメリット

動画授業にすると数多くのメリットがあります。

  • 密なコミュニケーションができる

  • 個人にあわせたスピードで学習できる

  • 幅広い進路に対応できる

それでは具体的に内容を見ていきます。

密なコミュニケーションができる

動画授業にする一番の目的は密なコミュニケーションをするためです。逆なのでは? と思った方が多いでしょう。

密なコミュニケーションをするには、クラスの人数が30人では多すぎます。理想は6人です。ですが6人にしてしまうと教師の数が足りなくなってしまいます。そのため教師が足りない時間は、家で動画学習してもらうという考え方です。

薄いカルピスを思い浮かべてください。せっかくのカルピスも薄すぎたらおいしくありません。カルピス部分と水を半分にわけたら、濃いカルピスを楽しめます。水も水そのものの楽しみ方ができます。

密度の濃い授業をするために、動画授業が必要なのです。

個人にあわせたスピードで学習できる

長女は教科書によく絵を書いていました。まじめに授業を受けなさいと妻によく怒られていました。授業参観を見たらその理由がわかりました。授業のスピードが遅すぎるのです。そのため手持ち無沙汰になった長女は絵を書いていたのです。

30人もいたら早くできる子も、遅い子もいます。それぞれにスピードにあわせて授業することはできません。ですが動画学習にしたらどうでしょうか?自分にあったスピードで学習できます。

中1の子供が中3の英語学習まで進めてもいいでしょう。反対に数学が苦手でしたら小5の学習をしていてもいいと思います。みんな自分のスピードに合わせて勉強していけばいいのです。

動画学習がいいと思ったのは、自分が動画で勉強して時間効率がよかったという理由もあります。

授業がまずコンパクトにまとまっています。これだけで、時間が2/3から1/2になります。そのうえ動画を2倍速できけるのです。カリフォルニア大学の実験で、動画を2倍速で聞いても学習効果は変わらないという結果がでました。ただ2.5倍まで上げた人は学習効果が落ちたということなので、早すぎには注意してください。

つまり1/4の時間で学習ができるのです。これはものすごい効果ではないでしょうか?

幅広い進路に対応できる

動画学習は幅広い分野に対応できるのが魅力です。教師1人の力では教えられる分野に限界があります。ですがいろいろな職業の人が教材を用意すれば、幅広い内容を用意できます。例えば情報システムで働いている私でしたら、次のような講座が考えられます。
・Html、Pythonといったプログラム言語の講座
・ユーザと仕様を決めるためのコミュニケーション講座

今の小中学校は学習内容がほぼ決まっています。大学のように好きな分野を一定以上学べばOKなように、制度をいっしょに変えれば動画学習の効果は倍増するでしょう。

今の教育制度は集団行動できる規範。学校から指示されたことを何も疑わずに遂行していく能力を育てるのに適しているといわれています。これは1990年代ぐらいまでの、物を工場で大量生産して作れば売れる時代の感覚でしたら正解です。マニュアルにそった作業を繰り返し続けていく能力です。

ですが、ロボットによる自動化が進み、AIで知的労働までもできてしまう時代になりつつあります。そうなると規律性の重要性は低くなります。他の人ができないことをする多様性の重要度が高くなっていきます。新しい方法を考える能力です。教育もそれにあわせて変わっていくべきです。

まとめ

授業は動画に置き換えて廃止したときのメリットについて考えてきました。

  • 密なコミュニケーションができる

  • 個人にあわせたスピードで学習できる

  • 幅広い進路に対応できる

便利なツールがでても、そのツールを導入するだけでは効果は薄いです。例えば授業で動画を流しただけでは、先生が内職する時間を確保できるだけで、それほど大きな成果はでないでしょう。

必要なのはツールの特性にあわせて今のルールも変えることです。
今回は動画講座の導入にあわせて次の3つのルール変更も考えてみました。

  • 動画講座は学校でなく自宅学習とする

  • 個人で好きなスピードで学習していい

  • 動画講座で学ぶ内容も好きに選んでいい

コロナでオンライン授業の抵抗が少なくなってきているので、学校の授業の形式も徐々に変わっていくでしょう。10年,20年後にどのように変わっていくのか楽しみです。

今回の記事は[仕事視点から見た効率的な教育制度]の続きです。
内容が面白かった場合は上の記事もぜひ読んでください。





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