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怒りのコントロール

あなたは怒りの沸点の低い方だろうか。
私は比較的キレやすいタイプでは無いが、年に数回頭に血が昇ってしまうような怒りの感情を抱くことがある。

怒る行為に対してはデメリットしか無いという考えであるので、決して人に対して怒りをぶつける事はしない。冷静になれないなら話さない。怒りに任せては建設的なコミュニケーションにならないからだ。

原因は何かを具体的に考えたことが無かったので、今日は対応策も含めて一度整理してみたい。過去、怒りを抱いた体験とその時の怒り具合いを挙げてみよう。

・仕事の成果を出せていない人材の度重なるミス

 これは過去と似たようなミスを、明らかな不注意で再び発生させてしまった同じチームの同僚に対する怒り。まるで新人がやるようなミスに、唖然としたことを覚えている。
 その対策について主体的に取り組まない人材であった事も怒りを抱いた一因。言い訳が多く、自己正当化し、ミスの原因を職場環境や上司の行動に問題があると言う主張をされたが、呆れと悲哀な感情が湧いたことを今でも思い出す。
 私自身やチームメンバーの仕事の成功を願って本気で打ち込んできた仕事に対する侮辱だと感じたし、短絡的で自分本位な考え方に対して強い怒りを感じた。

・自主的に開催調整した勉強会について告知内容のレビューが無いと指摘された

 これは数年前に若手の数人と合同で企画した勉強会企画で、当時の最新技術を学ぶため自主的に調査した情報を共有し、アウトプットすることで学習していこうと言う取り組み。
 だったのだが、開催周知を社内に行ったところ、当時の上司から「開催内容が他の勉強会と重複している」「なぜ勉強会の詳細について相談しないのか」「アウトプットの共有先が書いていないでは無いか」などなど指摘されたと言う話。
 怒りのポイントは指摘内容が本質的でなかった事にある。内容が重複した勉強会が開催されても良く(そもそも世の中そのような会は多い)、特定の技術に対しての学習機会の頻度を上げ理解の深度を高めることが目的であったので指摘が的外れと感じた。
 そして相談しないのかと言う指摘。記憶では事前に開催内容について十分相談しており、試験的に開催する旨を伝えていたのでそれも的外れな指摘だ。自主的な学習であるため、個々人の裁量の範囲で開催されるべきであり、外野がとやかく言う事ではないと言う考え方だ。ただ、私の事前の根回しが足りなかったのだろう。ーと反省している。
 また、資料の共有先が不明との指摘についても、自主的な勉強会の資料の共有先など、後でどうとでもなる。むしろ共有される側の立場にも関わらず、依頼形式のメッセージではなく、具体的な共有先の指示もない、と言った雑な対応だった事も怒りも一因だったろう。

・長時間労働を注意されたが具体的な指示がなく、対策検討を促される

 SEならば、プロジェクトが炎上して長期間労働を余儀なくされた経験が多少はあると思う。例に漏れず私も昔に挑戦した大規模プロジェクトは大変な状況であったが、その際に上司からの注意はドライなものであった。
 36協定での違反となるため長時間労働を許可しないというものだ。
 当然の指摘であるし、コンプライアンスの観点でも全力で対応しなければならない事案である。では、どう言ったアクションを取り、会社としてどう動くか。
 プロジェクトの進捗を考慮し、早急に検討しなければならないので、現在の状況において私が何をすれば良いか指示を仰ぐが、返ってくる答えは上司の怒り混じりの言葉だ。
 「労働時間が超えている事は事実だから」
 それは分かって言っているし、事実だからこそのネクストアクションの指示が欲しいが、それがないのだ。
 冷静にいられないので話す事をやめ、流石に放任する他なかった。それは会社のことを優先し、個人を優先しない判断かとも受け取れたからだ。

怒りポイントの共通点

 全てにおいて共通しているポイントだと思ったことが、これらの怒りは全て「先方の自己都合」を優先してしまっていることが理由にある。
 明らかな自己都合の押し付け、相手や仲間を尊重していると感じ取れない行いに対して強い怒りを抱くことが分かった。
 こちらが如何に日々思考し、如何に周囲の安全に注意し停滞なきよう努力しているか。日々振り返り、反省し、怠惰を律し自己研鑽に時間を消費しているか。
 この辺りの相手の都合を想像せずに伝えられた言葉に怒りを禁じ得ない。

怒りの対処


 さて、怒りを抱いた後はその怒りを制御しなければならない。アンガーコントロールともいうが、私の対処は場所を変えることだ。
 その場に留まる限り、怒りを抱いたその環境は自分の記憶を場に留め続ける。
 一度場所を変えることで自分が五感で得る情報量を増やし、怒りの濃度を薄め拡散する。その空気を吸うだけでもかなり落ち着くし、冷静な自分が問いかけてくれる。
 怒りのままに行動することほど愚かな事はない。一個人として恥じぬよう、周囲に礼節を持ってコミュニケーションを取る事は大人として当然のマナーである。
 

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