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SPARC SolarisというOSを語る

Solarisと言うOSがある。

15年間くらい前の新人エンジニア時代に初めて触ったUNIX系オペレーティングシステムだ。Linuxよりも先にSolarisでOSを勉強した。

SolarisはSun Mircrosystems社の開発したOSで、現在はOracle社に買収された。Solarisの開発チームは2017年に大量レイオフの噂が囁かれた。現在、Solarisの開発者はほぼいないと見え、バージョン11.4がリリースされた2018年からアップデートはない。

https://www.publickey1.jp/blog/17/solaris.html

サーバーOSのシェア率でSolarisは0.1%程度と言われている。Linuxが大勢であり、アプライアンス含めてシェアを伸ばし続けている。

それでも今尚Solarisは重要システムに採用され続けており、これはハードウェアと一体で設計された信頼性の高さがミッションクリティカルシステムに適しているが故だ。

機能拡張が少なく枯れた技術であることもその一因で、構築手順や仮想化の考え方なども一貫して変化がなく、長年極端な仕様変更が避けられていることも、安定が求められる基幹システムに適した思想と言える。

ハードウェア面では、独自のSPARCアーキテクチャを採用しており、国内では富士通社がOracleと共同開発したチップが搭載されている。唯一国産で開発されているプロセッサだ。

設計者と一席呑んだことがあり、日本の誇るきめ細かい性能へのこだわりがCPUのハードウェア制御に見られる。今では一般的だが、当初プロセッサの動作をチップ自体に搭載したソフトウェアで制御する仕組みがリリースされた際は、驚愕のベンチマークスコアを叩き出し、世界の最先端を行ったものだ。

富士通との共同開発ハードである、SPARC EnterpriseシリーズとSPARC M10シリーズを数多く触れてきた。Oracle社側にて開発しているMシリーズ、Tシリーズは国内市場では流通が比較的少ない。

M10シリーズのハイエンドモデルのハードウェア連結機構であるBuilding Blockの環境設計、構築を商用機では世界で初めて行ったことは、私の人生でも誇りに思う仕事だ。

結果は広く知られるところのスーパーコンピュータ京に採用されていることからも明らかだ。残念ながら後継の富岳にはARMが採用されたこともあり、益々衰退の一途を辿るように思う。

このニッチな技術のおかげで未だに仕事の声はかかるのだが、3年ほどSolarisからは離れている。

流通が少ない技術に投資することは良い行いだが、今後の開発マイルストーンもなく、将来性という意味ではSolarisの他の選択肢を取る他ない。

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