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矛盾の海を泳いでいる

人生は、矛盾の海を泳ぐことだ。

生きている限り矛盾の螺旋からは逃れられない。呼吸によって二酸化炭素を排出しながら、脱炭素を叫ぶような我々人類だ。

生産性をあげよ、効率化せよ、金融をブロックチェーンで非中央集権化せよ、といいつつ、SDGsを叫ぶようなご都合主義の中で生活している。

空き缶をリサイクルをしながら、半減期が30年もの放射性物質に依存して電力エネルギーを製造している。

山間部を森林伐採しながら、都市に植樹する。

YouTubeでペット動画を眺めながら、保健所で殺処分される犬猫には目もくれない。

愛を唱えながら戦争をする。


そんな矛盾の中を生きていく。人間社会もこの矛盾の構図が多く、一方の都合と、もう一方の都合の折衷案で構築されている。

国と民間の間、
政党と政党の間、
企業間、
企業と顧客の間、
経営者と従業員の間、
役員間、
上司と部下の間、
同僚同士、
チーム間。

仕事をする上で、これらの間でそれぞれの矛盾した都合の波のうねりを掻い潜るように、立ち回ることは至難の業だ。

大抵の場合、若かりし頃に失敗を重ね、歳とともに度重なる矛盾の荒波にもまれ、次第に建設的な意見を抱くことを諦めていく。

声の大きい者の都合ばかりが目立ち、弱者の声はたち消えていく。

精神が繊細な美しい心の持ち主は、少しネジの外れた罪悪感の感じにくい者の心ない言葉に蹂躙され、鬱になり塞ぎ込む。

こんな矛盾に満ちた世界に我々は生きていると言うことを忘れてはいけない。


物事には必ず異なる側面があり、それは他者の都合だ。個人だけでも70兆通りあり、組織を含めれば桁が上がる。

そんな都合と都合の矛盾に満ちた波のうねりを今日も泳いでいく。

人生とはそういう営みである。

波の合間に時折見える、微かな輝きを悦びに変えて、今日も泳いでいく。

創作意欲の支えになります!