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気持ちの強さは、結果と関係ない

漫画「ワールドトリガー」にこんなシーンがある。

ランク戦という隊員同士のチーム戦で、シーズンごとに部隊の順位を決めるのだが、今期に脱退するメンバーのいる「那須隊」が決死の覚悟で順位を上げようとライバルチームに立ち向かっていく。

試合の模様は解説者がついていて他の隊員にも生放送されている。

そんな中、「那須隊はいつもより気持ちがこもっている」と言う解説に対して、解説者であるNo.1アタッカーの太刀川慶がこのようなセリフで突っ込む。

気持ちの強さは関係ないでしょ。勝負を決めるのは、戦力・戦術、あとは運だ。

つ、つめてーなコイツ・・・

とイラッとしたものだが、結果的に那須隊は敗れてしまう。涙を拭う那須隊の隊員たち。

そして、その太刀川隊員は解説にこう付け加える。


「勘違いするなよ、俺は気合の乗ったアツい勝負は大好物だ。

 けど、

 気持ちの強さで勝負が決まるって言っちまったら、
 じゃあ負けた方の気持ちはショボかったのか
 って話になるだろ


太刀川。

あんたサイコーやな


ワールドトリガー、第99話。ファンブックである「ワールドトリガーオフィシャルデータブック」でも名台詞ランキングで1位になっているこのセリフ。

現実にもかなり当てはまる話だと思っていて、学生の部活動や高校野球なんかもそうだし、ビジネスなんかもそう。

結局、結果を出していないやつは気持ちがなかったのかというと、決してそうではない。

どれだけ情熱をこめて取り組んでいても、1.戦力(練習量、技術)、2.戦術(計画性、段取り、準備)がなければ勝てないし、成功しない。

それらが揃っていても、さらには3.運も必要で、「なんでこれだけやって勝てないの?」と言うことはよくある。

あんなに優秀なひとたちが、あれだけ準備してリリースしたWebサービスが大ゴケした、みたいな話はビジネスではよくある。いまいちバズってないよね、と言う事例は多い。

タイミングが悪かったり、需要量の読みが甘かったり、マネタイズの仕組みが最先端すぎて業界に受け入れられなかったり、ちょっとしたネット炎上が尾を引いて世論に負けたりと、「運」は絶対的に作用する要素だ。


かといって、その情熱は確かに価値があり、そこの優劣をつけることはできない。勝負やビジネスというのは厳しい世界だけれど、敗者や失敗者にも尊い情熱があることを忘れてはいけない。

それでも練習や挑戦を続ける彼らには敬意を払う。

気持ちの強さは、結果には関係ない。だが、気持ちがなければ、土俵に上がれないことは確かだ。

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