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Aiが教えてくれた私の描き癖

 私の手描きイラストをAiに化粧直ししてもらう遊びをしていて、嬉しい発見がありました。それは、Aiが

私が自分では気づいていない、私の描き癖(かきくせ)を教えてくれる

ということです。

 私は次の2点の手描きイラストを自作小説の挿絵に使ったのですが、彩色がいまひとつだったので、Aiで化粧直ししてみました。うまく出来たら手描きと差し替えるつもりでした。

小説はこちら:

 女性キャラクターが多い小説なので、この二人については、上村は太い線でザックリ描き、時宗は鋭角的な線でシャープに描くことで、男っぽさを強調したつもりでいました。

 まず、次の設定でトライしました。
※使用する画像生成Ai = Leonardo. Ai
※Image Guidance (元イラストのAi画像への反映のさせ方)
= Image to Image
※Strength = 0.5
(元イラストによる縛りの強さ:0.2~0.9幅の0.5なので中程度)
※Prompt Detail = Rembrandt
(Ai にレンブラントを参照してもらうのは、今回が初めてです)

すると、Leonardo. Aiが次のイラストを返してきたのです。

レンブラント版/左:上村/右:時宗

 上村(左)は、私の印象にあるレンブラントっぽいです。ただ、ここでは巨匠の画風に似ているかどうかより、小説の挿絵として適しているかどうかが大事です。そういう目で見ると、原画よりも作家らしく見えるのは良いのですが、設定年齢(後出)より老けて見えるし、ちょっと落ち着きすぎた感じもあります。採否は微妙な線です。

 右の時宗には、口あんぐりです。なぜ、男性である時宗が女性になってしまうのか! 巨匠の画風に似てきたかどうか、挿絵に適しているかどうか、以前の問題です。

 慣れないレンブラントを試したのがいけなかったもかもしれないと思い、付き合いの多い Aiエゴン・シーㇾに頼みなおしました。そして、出てきたのが次の2点です。

エゴン・シーㇾ版/左:上村/右:時宗

 今度は上村(左)がレンブラント版より女性的になっています。反対に、時宗(右)はレンブラント版よりは男性的になりましたが、依然として男っぽさが弱く、かなり中性的です。

 Ai画伯を変えてもこうなるということは、私の原画に理由があるのかもしれないと思い、よく見なおしてみました。すると、原画に女性的な要素があって、それをAiが捉えていることに気づきました。
 そして、そういう女性的な要素は、二人のキャラクタ―を絵で表現したときの私の描き癖からきていることにも気づきました。

オリジナルをここに再掲します。

原画/左:上村/右:時宗

 二人のキャラクター設定は、次のとおりです。

上村 秋人(37歳)
女性心理を描くのが巧みで若い女性に人気の作家。対人能力にも長け、講演会やサイン会で若い女性ファンの気持をつかむのが得意

時宗 司(37歳)
自分の直観と論理をすべてに優先する学者肌。対人能力にはやや欠け、硬く冷たい印象を与えがち。ただし、感受性が鋭く他者に寄り添える時もある。

 上村が若い女性に受けることを、私は彼の顔の線の丸みで表現してしまいました。そこをAが女性的と捉えたのだと思います。
 時宗の感受性の鋭さを細い描線で表現しようとしたのですが、その線の細さ加減を Ai が女性的と捉えたような気がします。また、彼が他者に寄り添える時もあることを二重瞼の下がり目で表現したのも、女性的と捉えられたと思います。

 それにしても、Aiがここまで私の原画をよく見ていることには驚きました。私は、古今東西の巨匠の画風を徹底的に学習している Ai は、私の拙劣な手描き原画などは「参考にはしておきますね~」くらいのノリで軽く受け流していると思っていたのです。
 そうしてAiが丁寧に見てくれたおかげで、私は、自分が意識していなかった描き癖に気づくことができました。
 
  これから、Aiと一緒に絵を描くことがますます楽しくなりそうです。

 ここまでお付き合いただき、ありがとうございました。



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