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鬼滅の刃 柱稽古編 最終話の凄さ

久しぶりの物語関連の感想です。
最近は良質な物語が少なくて(もちろん、私自身が追いきれていないという事情もありますが….)、アニメや漫画、小説に辟易していました。
しかし、先日行われた「鬼滅の刃 柱稽古編 第8話 柱結集」がえげつない出来であったので、感想を述べたいと思います。


【アニメ的観点】

やっぱり、アニメ作品のクオリティを上げるためには「作画」は切り離せない要素であると再認識する形に仕上がっていました。
アニメは作画、音楽、声優の実力など多くの点によって構成されますが、良く感じた点を挙げると

  • 鬼舞辻無惨を囲む怨嗟の紙風船

  • 悲鳴嶼 vs 鬼舞辻無惨

  • 悲鳴嶼の第一声が「無惨だ」であること

  • 「無惨だ」に対する反応で炭治郎を最後に置いたこと

  • 柱達怒りの呼吸の型使用

  • 無限城を落ちている時の善逸と炭治郎

これらの演出は「臨場感」を引き立てるのが素晴らしかった。
紙風船の演出では、墓の情景と前後に並べることで、無惨がいなくならない限り、人の怒りが永遠に続くことを恐怖感を抱いた。
悲鳴嶼さんの呼吸使用では音柱を思い出すような壮絶な攻防が繰り広げられ、それにプラスした柱集結による決戦の開幕を予兆させていた。
悲鳴嶼の第一声では、多くの柱が状況に混乱する中で、簡潔かつ最も状況を説明するのに的確である言葉が「無惨だ」であることを考慮し、拙くとも簡潔に伝えたのは本当に素晴らしかった。その一声だけで柱の行動指針がバラバラになることを阻止し、目的を統一させたのが良い。
炭治郎の反応を最後に置くことで、「悲鳴嶼さんの言葉 → 柱達の戸惑い → 炭治郎の無惨への怒りの反応 → 柱達の確信&型発動」という流れが出来上がり、見ていて気持ち良かった。
柱達の怒りの演出では全員の血管の浮き出る様と怒りの表情、突撃する時の素早い足音が柱が何人も駆けつけ、袋叩きにする人類の怖さを見せつけていた。
無限城の演出では善逸が落ちることを覚悟ガンギマリで受け入れている様が印象的であり、不死川弟が慌てていたことの対比が見れることで、より善逸の立場を表明していたのが素晴らしい。
そして、炭治郎 vs 無惨の真っ向勝負をする手前のようなバチバチの地獄に落とす宣言は激アツだった。

【物語的観点】

アニメ的な観点で述べたものと若干被る点もあるが、アニメ的な演出ではなく、物語全体として見た時の「8話」について考えてみる。
この時、すごく良かったと思った点は以下

  • 静かに始まるトップ同士の会話、両者の思想の違い

  • 持てる力の全投入

  • 鬼殺隊最強悲鳴嶼に繋ぎを託したこと

  • 柱・結集

  • 鬼舞辻無惨のたった一つの策略

アニメ的観点が臨場感を説明するものだとしたら、これらの物語的な観点は「趣深さ」を説明するものだと考えている。

特に顕著なのは、トップ同士の思想の違いにある。
鬼舞辻無惨は単独による永遠性を確保しようとするが、鬼殺隊は鬼舞辻無惨という存在の滅殺のために永遠性を保っていると言える。
そして、その違いにより、殺し合いの歴史を辿ってきたわけだが、この差こそが趣深さを演出することが出来ている。それらが彼らが戦いをする理由であり、歴史の存在意義でもあるから。その根幹をトップ同士の会話により触れたことは物語として良い形となっていた。今後はその怒りをどのように演出するのか期待したい。
そして、その殺し合いの歴史を更に積み重ねる事件が起こる。
「産屋敷ボンバー」というやつだ。
ここからの展開が持っている力全てを凝縮していた。
自爆からの撒菱での治癒の遅延、そこからの血鬼術で動きを固めてから、弱体化の毒を無惨にぶち込むという流れの早さが凄い。(リコリコ6話ら辺のvs真島の破茶滅茶感を思い出しました)
その展開の速さが無惨には必要であるというのを見せられると、それほどの相手なのかと実感を抱き、今後の展開を期待する形になっている。
そこからの硬直からの「鬼殺隊最強悲鳴嶼」の登場。この場面は本当に良かった。彼にしか頼めないというのは実力的にも無惨との 1 vs 1にさせたくないというのもあり、鬼殺隊最強を当てるのは自明と言える。そして、それを「強さを求めている」伊之助に修行している時の回で「認めさせる」という形をとっているのが素晴らしい。それによって、「こいつガチなんやな」という感覚を抱いたために、無惨との1 vs 1で出てきてくれるのを嬉しく感じる。この伊之助を使った悲鳴嶼出しの流れは好きだった。
その後の柱結集は言わずもがなで、激アツ
これは柱同士の決闘が上手いこと活きていた。
伊黒・不死川・時透の柱稽古
不死川・富岡の一騎打ち
この二つ辺りで柱の力を見せつけていた点が功を奏したことで、柱への信頼感が増しており、結集の時に熱さを受け取ることができた。
その結果として、鬼舞辻無惨 vs 鬼殺隊最高戦力集団というドリームマッチが実現するかという期待感が何にも変え難いほど美味しかった。
しかし、その危機をたった一つの策略でぶち壊すというのも良い。
産屋敷ボンバーの前に思想の違いに触れることで、鬼舞辻無惨も鬼殺隊全滅を行うしかなくなったのだと感じる。そのために無限城に全ての鬼殺隊を招待するという激アツ展開を演出してくれた。あれは素晴らしかった。

【最後に】

鬼滅の刃について考えていきましたが、個人的にはどの点が良かったかというのを洗っただけです。本編を見てもらうことがやはり一番だと感じます。

鬼殺隊の努力を無惨はたった一つの策で、一度全てをリセットする。
なんとも鬼とは憎いものだ。
しかし、見ている人はそれが面白い。
故に先が気になる。どんな演出を次は見せてくれるのか
私はそれが楽しみで仕方ない。


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