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さようなら、テリー。

 今日、「テキサスの荒馬」テリー・ファンク が亡くなったというニュースが飛び込んできました。
 79歳。数年前から闘病されて(パーキンソン病)おられる報を目にしていましたが、生涯プロレスラーのテリー・ファンク。きっと本人も、引退したという意志は最後まで持っていなかったのだと思われます。 

 私と同年代の男子の多くは、日曜夜8時(だったかな?)のプロレス中継に夢中になっていたものです。馬場、猪木の2大スターはもちろん、スポットで来日する外人レスラーの凄さに度肝を抜かれていました。
「人間って、こんなに強く、怖くなれるものなんだ」
 それは、フリッツ・フォン・エリックであったり、アンドレやハンセン、またブロディ、マスカラス、そして、ブッチャー・シーク組と戦う「ファンク兄弟」であったのです。
 異次元の破壊力、身体能力。子供が魅了されるには、十分すぎる素材の説得力があの時代のレスラーにはありました。(それに比べれば現在のプロレスは、戦いの匂いがしない「サーカス」としか感じられないという辛口コメントも残しておくようにしましょう)
 その中で、人気の頂点にあったのがテリー・ファンクでした。テリーは、「やられっぷり」が最強のレスラーでもありました。ブッチャーのフォーク攻撃で血だるまになった試合、昭和プロレスの中で大変有名なシーンでありますね。

 さて、掲載写真の本は、2006年出版のテリーの自伝。この本を入手した時、私は十分すぎるくらいに大人になっていました。でも、「あのフォーク攻撃は事前打ち合わせがあってのフェイク」であったという彼の生の声が記載されているのを目にした時、私は大人でいることができなるほどの衝撃に打ちのめされてしまいました。
 そうか。やっと言える時代になったんだね。ある意味、大きな肩の荷が降りたというような、そのような心境なのかも知れません。今、ようやくそんなことが言えるようにもなりました。
 でもね、テリー、あなたが見せてくれたファイト、それにあなたの戦う目は、誰が何と言おうと本物でした。
 テキサスの荒馬よ、安らかに。


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