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バーブラ・ストライサンドは教えてくれる

 忘れるのは辛いことだけれど
 忘れられないのは もっと辛い
 
 映画『追憶~The Way We Were』で、バーブラ・ストライサンド(役名:ケイティー)がパートナーであるロバート・レッドフォード(役名:ハベル)に対し、別れと向き合う心情を解き放ったシーンでの台詞だ。
 その時のバーブラの演技は特に珠玉として己の心に残ったままでいる。

 男と女にとって「忘れなければならない」と決断を下すことは、とても辛い事だ。
 そしてまた、決断という「点」に到達することよりも、その後の現実に流れ行く「線」の痛切さを思えば、とても耐えられる重さではないものと嘆いてしまう。
 バーブラがこのシーンで放ってくれた心情の叫びは、この先いくら時代が流れゆきても、私の心を揺さぶる力を有している。
 演技のシーンとはいえ、それに遭遇した者にとっては、リアル体験以上に重要な意味を持つメッセージを受ける体験といものがある。自分は、己の人生の中であのような局面に対峙した時、バーブラのような美しい想いの力を、目の前の愛する者に体当たりさせることができるだろうか。
 スクリーンの中のバーブラは、生涯このメッセージを投げかけてくれるのだ。


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