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微毒親との日々⑥*桃と葬式まんじゅう

 つい先日、ほぼ交流のない父方の本家の叔父さんが亡くなりました。
 そのため、お葬式に参列してきました。
 母が参列するというので足要員です。

 親戚達とやり取りをしなくなった原因は、亡父が本家のお嫁さんに男尊女卑な発言を繰り返し、そのお嫁さんが他の要因もプラスで病んでしまったからです。(お嫁さんという単語に、今は目を瞑っていただけると助かります)
 恥ずかしい。
 父を連れて、何度かその本家に行ったことがあるのですが、恥ずかしくて恥ずかしくて。
 田舎のナチュラル男尊女卑。あれ、なんなの?
 都度都度、怒鳴り返してきましたが、親戚の女性にまでしていたなんて、赤面するしかありません。

 その後、父が亡くなった後は本家とは疎遠になって、時折お墓参りだけする状態に。

 本家の叔父さんのお葬式は和やかに進み、(ああ、これが『普通』の家のお葬式なのだな……普通って物凄く遠いんだな……)と再実感しました。

 祖父が亡くなったことに号泣する孫達。
 父親が亡くなったことに号泣するいとこ達。
 夫が亡くなったことに号泣する配偶者。

 亡骸に大事に触れる家族。

 美しく、尊いな、と。

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 父が亡くなった時、いろいろあったけど、葬儀中に母がおかしくなっていました。

「まんじゅう持って帰るのー!!!!!!!」

 なんでやねん。

 葬式で飾られていた白いおまんじゅうに異様な執着を示し、持って帰ると駄々を捏ねる母。
 情けなくて情けなくて、憎くて堪らなかった。

「よく泣けるな」
 と、同じように両親の被害を受けていた弟に言われたけれど、泣けたのは過去の父に対して。
 憎いけど憎めなくて、でも情けなくて仕方がない時に、まんじゅうが欲しいと執着して暴れるように騒ぐ実母を見て、三人でどうしようもない気持ちになりました。

 お葬式っていうと、これを思い出すのよね。
 そして、母は自分がし出かしたことの大半を忘れているのです。
 都合のいい頭で殺意が湧く!!!!!!!!!
 実際にやって、自分に非が付くのは嫌なのでしませんが!!!

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 まあ、こういう葬儀を体験しているので、叔父さんの葬儀はとても厳粛で尊いものを見せていただいた気分です。

 ご冥福を、心からお祈りいたします。
 明るく元気な叔父さんが好きでした。

 そして、帰り際、イヤミと共に母が購入した果物をもらってきました。
 桃と梨とみかん。
 兄弟の帰省が台風でなくなったため、ブツブツ言われながら渡されました。

 そんな無駄使いしないで、貯金してくれよ。
 果物、高いだろう???????

 ただこれを言うと卑屈になって余計に荒ぶるので、糖分多めで死ねばいいと放っておくしかないので、一応礼を言ってもらってきました。

 桃を見ると、思い出すことがあります。

 大昔に足首を骨折しました。
 反対の足首も痛めていて、立つのが難しく両松葉杖。さらに真夏。私の家、夏は暑くて台所に立っていられない。

 そんなときに、お見舞いで桃を渡されました。
 殺意が芽生えたね!!!!!!!!

 憎しみで、人がやれるなら!!!!!!!!!
 ※註:ここのやは「殺」という漢字をぜひ。

 両松葉で、足を痛めながら、両手で、真夏の暑いキッチンで桃を剥きました。両手ベトベト。両松葉杖の人間ですよ。隣に三歩動くのも苦痛な骨折した人に、桃を渡す想像力のなさ!!!!!!!

 桃はおいしいよ。
 でも、これ以降、生の桃を剥く度にこの思い出がリフレインして、苦々しくなります。仕方がないので、至る所で話して笑いネタにしています。

 桃に罪はない。

 ただ、やはり実母は周囲を思いやる感情が欠落しているのを再実感をして、その血が流れている自分が気持ち悪くなります。
 気を付けよう。

 桃とお葬式まんじゅうに罪はないけれど、見る度に思い出すのよね。

 それにしても、桃に上用まんじゅうに着物と、母は私が好きな物にいっつもいっっっっっっつも嫌な思い出を被せてくるんですよ!!!!!ムカツク!!!!!!
 おいしいから食べるし、好きだから着るけど。

 早く、早く……
 という思いは、仕方がないよね~。
 と、桃を剥きながら思いました。
 ちなみにもらった桃も梨も、母が良い物を取っています。
 それが通常なんで。
 兄や弟にはそういうことしない癖にね。

 しかし、本当に母の金が尽きそうで、今から目眩がします。
 こんなに文句言っているのに離れないのは、母に借金をこさえさせないためなので!!!!!!!



 早く、静かに、迷惑掛けずにお願いします!!!


おしまい

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