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オウンドメディアの担当者が知っておくべきGA4の基礎知識

はじめまして、採用市場研究所の市岡です。採用市場研究所はメディアサービスコンサルティングサービスの2つを展開していますが、私は主にメディアサービスのプロモーション担当としてサイトのアクセス解析やSNS運用をしています。

インプットとアウトプットを繰り返して血肉にしていこう!という目標を掲げ、この度知識のアウトプットの場として個人noteを立ち上げました。

自身の「これってなに?」「これってどうしたらいい?」という疑問に対して答えを見つけながらまとめていきます。きっと同じようなお悩みを持つ方にとって助けになるのでは、と信じつつ、発信を続けたいと思います!

今回のnoteは、
・オウンドメディアやWebサイトの担当になったばかりの方
・アクセス解析に興味のあるGA4初心者の方
といった方々へ向けて、基礎の基礎から説明していきます。


オウンドメディアの効果検証に必要な基礎情報

オウンドメディアは文字通り「企業が自社で保有するメディア」の総称です。商品やサービス販促、企業ブランディング、採用広報など、企業が様々な目的を持って運営しています。いずれも共通するのは、顧客やターゲットに対し有益なコンテンツを届けることで、商品・サービスへの認知を高め、自社のファンを増やし反響を得ることが狙いです。

それでは、オウンドメディアを通じて「反響が得られたかどうか」はどのように検証するといいでしょうか。

ひとつの方法として、アナリティクスツールを使ってサイトを訪問したユーザーの動向を分析することでメディア運営の効果検証ができます。

アクセス解析ツールって?

アクセス解析とは、サイトを訪れたユーザーの特性や行動を分析して、サイトの閲覧状況を把握することです。アクセス解析ツールはたくさんありますが、中でもGoogleアナリティクスはGoogleアカウントを作成し、解析したいサイトにトラッキングコードを埋め込むことで誰でも利用ができます。

2020年10月にリリースされた最新版が 「Googleアナリティクス プロパティ 4」であり、略称でGA4と呼ばれています
GA4は手軽に導入できる一方で、活用しきれていないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、GA4を使ってメディアの効果検証をするには、まずはどんな知識を身につけ、どんな指標を追っていけば良いのかについてお話していきます。

GA4でアクセス解析するにあたって知っておきたい前提情報

いざセッティングを済ませGA4の管理画面を前にして、どこを触ったらいいか、まず何を見たらいいかわからない方は、まずは画面左側のメニュー欄を見てみましょう。ホーム・レポート・探索・広告とメニューがあり、よく使うのは「レポート」と「探索」です。

  • レポート:決まったフォーマットのデータを定点的に観測するための機能。定点的に数字の推移を見ながら分析箇所を探すための初期分析用のレポートとして使用します。

  • 探索:レポートの設計を自由に行うことができる。さまざまな切り口でデータを検証するのに向いているため、分析の深掘りに使用します。

「探索」メニューはいわば応用編。
慣れていない方はまず「レポート」メニューを見るところから始めることをおすすめします。
もうひとつ知っておきたいのが、GA4が計測するデータの更新間隔についてです。リアルタイムレポートの数値を除き、GA4が計測するデータは即日反映されていません。GA4のヘルプサイトによると、

レポートとデータ探索ツールでは、多くの場合、ウェブサイトまたはアプリのデータの処理に24〜48時間かかることがあります。

引用:Google, アナリティクス初心者向け [GA4] データ収集の確認

とあります。そのため、データが反映されるまでに時間がかかり、前日のデータは必ずしも正確ではない可能性があることに注意しましょう!

GA4で用いられる基本用語

まずは「イベント」について知ろう

さて、ようやく本題である分析の話題に入っていきます。
GA4の分析指標はユーザーのアクションごとに計測される「イベント」という単位で集計されます。

ユーザーがページを訪問する、リンクをクリックする、スクロールする、といったアクションを「イベント」と呼んでいます。

レポートメニュー>エンゲージメント>イベント のセクションをみると、サイトに入ってきたユーザーがどんなアクションをとったのかが集計されています。

各イベントの定義について知らなければ分析をする上でも誤った認識で解析をすることになってしまいますので、イベントの定義についてはまず把握しておくと良いでしょう。それぞれの意味を説明していきます。

分析上で必要となる基本的なイベントのご紹介をしましたが、上記以外のイベントに関する詳細はアナリティクスのヘルプセンターページでも確認できます。

ユーザー指標とセッション指標の違い


次に解析をする上で違いを知っておかなければならないのがユーザー指標とセッション指標の違いです。いずれも訪問数を把握するためのものですが、明確な違いがあります。

ユーザー指標:同一人物ならば複数回訪問しても1回と数える
セッション指標:同一人物の複数訪問をその都度カウントする


たとえば、Aさんが5回サイトに訪問した場合、ユーザー指標では1回のカウントだが、セッション指標では5回のカウントになる

※引用:山野 勉, Googleアナリティクス4のやさしい教科書。, 2022年3月21日,
株式会社エムディエヌコーポレーション(発行), 株式会社インプレス(発売)

レポートメニュー>ライフサイクル>集客>概要 からそれぞれ確認することが可能です。

前述の通り、セッションは「ページの訪問から離脱までの一連の行動」を示しています。セッションの計測条件を理解することでサイトを訪れたユーザーの動きを正しく把握できるようになりますので、しっかりおさえておきましょう。

コンバージョンの設定

続いて考えたいのが、サイトのコンバージョンについてです。

コンバージョン(略称:CV)とは、Webサイト上で獲得する「最終的な成果」を指し、Webマーケティング分野においては、ゴールとなる重要な指標のひとつです。

※引用:NECソリューションイノベータ, ビジネスコラムマップ,
コンバージョンとは?意味などの基礎知識をわかりやすく解説

サイトに訪れたユーザー人が、どんな行動をとってくれることが理想だと言えるでしょうか?オウンドメディアにおけるコンバージョンには、資料ダウンロードやメルマガ登録、採用目的のオウンドメディアであればエントリーや問い合わせといったものが挙げられます。

ページに訪れたユーザーがどれくらいの割合でこのコンバージョンに辿り着いたかを示すのがコンバージョン率(CVR:Conversion Rateの略)であり、効果計測に必要になる指標です。

CVRの計算式は至って簡単。
CVR=CV÷セッション数×100 です。

コンバージョンの設定をすることで、サイトを訪れるユーザーにとってほしい行動が明確になるのでサイト改善の方向性がより明確になるのがメリットです。

サイトの運営目的によって何をコンバージョンとして設定するかは異なります。最終的な成果とするものは何かをしっかり社内・チーム内で協議して設定すると良いでしょう。

なお、GA4ではコンバージョンとして計測したいアクションを「キーイベント」を設定し計測することができます。※この「キーイベント」はGA4でこれまでコンバージョンと称されてきましたが、2024年に名称変更されています。

探索メニューを用いることでそのキーイベントがどれくらいの数字を出しているかが計測できますが、応用編となるため今回は触れませんが、興味のある方はぜひ調べてみてください。

オウンドメディア担当者が追うべきKPI

何をKPIに設定する?

広報会議編集部がオウンドメディア担当者に対して行ったアンケートによると、オウンドメディアの「評価項目(KPI)は?」という問いに対して、1位が「ページビュー数(69.1%)」、2位が「記事公開本数(48.7%)」、3位が「ユーザー数、新規・リピート訪問者数(35%)」と続きました。

PV数はわかりやすい指標なので、多くのサイト担当者がKPIとして設定していると思います。すべてのオウンドメディアにとって単にPV数が多ければサイト運営は成功している、と言えるのでしょうか?一概には言えないものの、そのオウンドメディア運営の目的は何かに立ち返ると、各メディアが本来追うべきKPIが見えてくるのかもしれません。

例えば弊所のメディアサービスは、採用に関わるすべての読者に有益な情報を配信し、「採用活動における意思決定に『市場環境の把握』という補助線を引く」ことを目標としています。「採用」を切り口に、幅広いトピックについてしっかりとした文献とデータをもとに記事作成をすることを心がけています。

もし単にPV数を目標にするのであれば、トピックを絞り、SEO対策をし、読者の気になるキーワードをふんだんに盛り込んだ記事を量産することで目標は達成できるかもしれません。しかし、それは弊所の本来の運営目的からは外れてしまいます。ひとつひとつの記事について、納得のいく記事を出すことを最優先としていることから、重視すべき指標は、「リピート訪問者数」と「scroll(記事読了)数」だと言えます。

フェーズによって設定すべきKPIが違う

また、メディアのフェーズによっても重視すべき指標が異なります

立ち上げたばかりのメディアでは、まずは記事を安定的に配信すること(記事数)と、ページを訪れたユーザー数(UU数)を把握することが必要です。記事の閲覧数やSNSでの記事シェア数を追いながら、集客に力を入れましょう。この段階でCVをKPIに設定してしまうと適切な検証ができません。

記事数がある程度揃ってメディアの運営体制が整ってきたら、PV数、記事の検索順位、リピート訪問者数、scroll数といった、幅広い数値から次のコンテンツの示唆出しを行います。(弊所のメディアは今このフェーズ)

サイトへの流入数が安定してきたら、サービスの資料請求やリード獲得といったCVR率を上げることが目標となります。そのCVR率を上げるために目標ページへの動線の再設計を検討する、といったアクションが必要になってくるでしょう。

参考:ナイルのマーケティング相談室, 2023年7月14日,
オウンドメディアのKPIの適切な設定方法を具体例を交えて解説

まとめ

「オウンドメディアの担当者が知っておくべきGA4の基礎知識」第1回目は、サイトのアクセス解析をする上でまず必要になる基礎情報と用語、そしてオウンドメディアにおけるKPIの考え方に触れてみました。

なるべく噛み砕いて表現してみたつもりですが、少しでも読者のみなさまのGA4に対する理解が深まればいいなと思っています。

耳慣れない言葉やカタカナ用語が多すぎて頭が痛くなりますが、ひとつひとつの言葉を理解しながら少しずつ知識を貯めて、一緒にサイト改善のために邁進していきましょう!


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