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魅惑のキャラメリゼへの誘い(いざない)

まず、ひとつの質問をさせて頂きたい。

「魅惑のキャラメリゼの誘惑に抗えるか?」

答えは、「抗えない。」

気が付けば、そこら中にはびこる魅惑の艶めき、それがキャラメリゼ。
ふと気が付けばキャラメリゼをしていた、そんな覚えがあるだろう。日常に潜むキャラメリゼの誘惑。決して抗うことが敵わない、甘美でほろ苦い罪深き存在キャラメリゼの魅力に迫りたい。

想像して頂きたい。
熱々の焼きゴテをかざすと巻き起こるショータイム。表面が火を吹きジュワッとなったと思ったらさらに火を吹きながら表面からほろ苦く艶が滴り落ちつつ熱々に耐えるとキャラメリゼの儀式(施し)が終了。

抗えない。

キャラメリゼを語る3大項目

①キャラメリゼのスター選手

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これはもうシブーストと決まっている。
あのフワッフワのクレームシブーストに薄く張られた艶めきキャラメリゼ。琥珀のようにまたは木漏れ日のようにゆらゆらと揺らめき、こちらを誘惑しては側面から雫が滴り落ち始めていたりする。
あまりの出来事に注意しなければならない。
儚いシブーストの上に儚いキャラメリゼを重ねる行為。それをナイフでパキンッと割ることによる背徳感。クレームシブーストの甘さに対してキャラメリゼによるほろ苦さは、まさにいけない苦味。
口の中で生み出されるコントラスト比の高さから、最強のキャラメリゼ保有種がシブースト。
だが、サンマルクも甲乙つけがたい魅力がありすぎる。
もしキャラメリゼしていないサンマルクがあったとしたら、それはもうサンマルクではない。何を当たり前のことを?と言われるかもしれないが、サンマルクはキャラメリゼがあってこそサンマルクであり、サンマルクたる味わいの黄金比が実現している。初めて入ったらパティスリーでサンマルクが置いてあったら、きっとショーケースよ前で(心の中で)狂喜乱舞している。


②キャラメリゼ度

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これをどうするか?
厚めのストロングスタイルなのか、薄めに儚く華を添えるのか(茶色で映えない)、好みが分かれる点である。
これに関してはどちらが優れているというわけではなく目指す方向性によって施し方が違うというのが正しいだろう。

前者の場合は、力強い。飴化した板状のキャラメリゼは存在感が在る。確かな存在感で私は此処にいるのだよと自己主張をしてくる。見た目にも艶々で明らかにこちらを誘っている。甘くもほろ苦い飴状のそれは、他の誰よりも最後まで口の中で溶けない。だからその他のパートを先導し、ときには食感で鼓舞してくる。鼓舞というのはつまりキャラメリゼが突き刺さってくるかもしれないという事だ。気を付ける必要がある。スリリングな中にこそハイコントラストな美味さが生まれる。小気味良い音を口の中に奏でながらリズムを刻む、ダイナミックなアンサンブルはその場で生まれる、予定調和ではない面白さ(美味しさ)こそが、ストロングスタイルのキャラメリゼの特徴であり、素晴らしさなのだ。
では後者の儚いキャラメリゼスタイルはどうだろうか。ひと言で表すのならば「一体感」だろう。全てが溶け合う一体感、それはとても儚い。儚いという事象は余韻を愉しむ為にある。一瞬にして消え失せてしまうキャラメリゼ。その一瞬のその一体感の為に存在するキャラメリゼに感謝をしたい、ありがとう。
上から下までナイフがスッと入るのも儚い系の特徴である。儚い系は同時に優しい系でもあるのだ。

③キャラメリゼの魔力

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キャラメリゼしたい。
キャラメリゼしたくて仕方がない。
最近キャラメリゼしていない。
早急にキャラメリゼしなければ。
キャラメリゼが呼んでいる。
キャラメリゼに寄り添っていたい。
このように、キャラメリゼには人を虜にしてしまう魔力がある。
一度キャラメリゼを覚えてしまったら、ある一定の周期で、または衝動的に、キャラメリゼをしたくてしたくて堪らない、キャラメリゼしたくなってしまう魔力的魅力。果たしてその本当の魅力とは何なのだろうか。
これだけ私たちの本能に訴えたくるのだから、なにかDNAに刻まれた何かがあるとしか思えない。
光が当たる度に煌き揺れる艶々の表面はまるで木漏れ日のように、心安らかに穏やかにしてゆく。決して同じ表情はなく、光と影の織りなすうつくしい光景が(キャラメリゼが)ただ広がっている。人間が心地良いと感じる木漏れ日のようにキャラメリゼは癒しなのである。まず見た目で心を奪われる。
そして味わいの深さ。
キャラメリゼは全体を司るかのようにケーキのトップ(上辺)で影響力を発揮している。甘くてほろ苦い、この相反する役割を同時に果たしているのがキャラメリゼである。元々が砂糖なのだから甘さで誘惑するのは至極真っ当なのだが、キャラメリゼの儀により砂糖自身が知らなかった甘さの上のフェーズであるビターの領域に達している砂糖は、欲深い人間の手によって、自身の限界突破の悟りの境地に至っている状態なのかも知れない。これは、甘さだけでは満足出来ないという人間の業を感じせざるを得ない出来事がキャラメリゼであり、キャラメリゼという禁断の甘い魔力からは逃れられないという事を示している。

キャラメリゼよ永遠に

優しくでほろ苦い、そんなキャラメリゼに全てを委ね、何処までも一緒に付いていきたい。
いや、追いかけて行きたい。

あぁ…キャラメリゼ。
ステイホームな今だからこそ、セルフ・キャラメリゼもお勧め。
数々の素晴らしいパティスリーへと、また自由に訪問が出来る世の中になるまで、キャラメリゼの禁断症状と上手く付き合っていきたい。

スプーンを犠牲にしてまでも、どこまでもキャラメリゼ、あぁ..!

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fin.

写真の店名とお品名(上から)
・ブロンディール シブーストフランボワーズ
・ロタンティック シブスト
・茂右衛門 サヴァラン
・ブロンディール サンマルク
・モンテール とろ生ケーキ(紅茶)※セルフキャラメリゼ



  

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