【カスタマイズ不要論】MAにおけるテンプレートの価値

「自社にどれだけカスタマイズできるか」をツール選定時に、気にする方がいらっしゃいます。結論、ほとんどの会社でカスタマイズは必要ない・しない方が良いと考えています。MA以外にもツール全般的に言えることと思いますが、僕はその辺よく知らないので絞って書きます。

書こうと思ったきっかけ

来期(4月)から10名程度新卒が入ってきます。そこのイネーブルメントを担当することがほぼ決まり、BowNowのコンセプトをなるべくコンテンツ化しておこうと思って書いています。社内のイネーブルメントコンテンツとして書きますが、他の方にも少し僕らの考え方が伝わればと思い、noteで書いてみます。

カスタマイズの代表例:スコアリング・シナリオ

MAツールにおけるカスタマイズの代表例として、スコアリング・シナリオが良く挙げられます。(シナリオ・スコアリングについてはこちら)

自社のセールス・マーケティング体制、商材特性(単価、リードタイム等)、ターゲット、顧客の行動などから、自社に最適なスコアリング設定、シナリオ設計を行っていきます。自社に最適な方法で、リードへのコミュニケーションを自動化し、リードのホット度合いを自動的に教えてくれます。

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統計データから見るカスタマイズの落とし穴

自社に最適な方法でカスタマイズしていく。非常に便利ですが、実現可能性と時間対効果の面であまり有効な施策ではないと考えております。弊社では毎年MAを導入している企業向けにアンケート調査を行っています。興味深いデータが出ているので、以下見てみてください。(引用元:エムタメ!

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MAを導入している企業で、圧倒的にスコアリング・シナリオが使いこなせていないということがデータでわかります。では、何故使いこなせていないのでしょうか?以下のようなことが考えられます。

・自動化するだけのメールコンテンツが用意できない

・Webコンテンツが少なく、見込み顧客のアクセスが少ない

・そもそもの設定が難しく、機能として使いこなせていない

他にもいろいろ考えられますし、これらの要因が、社内リソース・リテラシー・マーケティングノウハウ、どれに紐づいて怒っているかも各社それぞれだと思います。次に、これらの機能を実装しようとした時にどのくらいの時間を要するか?をアンケート調査しました。

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多くの企業がMAを導入してから実運用するまでに4ヶ月以上の時間を要しています。そうです、難解な設定、機能は施策実行スピードを鈍化させます。半年も経てば、世界は変わります。半年前からコツコツ行った設定も意味がなくなります。

上記結果から分かるように、現実的に考えると、スコアリング・シナリオの実装は非常に難しいです。多くのリソースを投下することになるので、特に中小企業にはお勧めできません。

多くの中小企業ではカスタマイズは不要

上記のように、人的リソースも資本もノウハウも少ない中では、カスタマイズが有効でない場合がほとんどです。

SMB向けのツールは、「カスタマイズではなく、テンプレートで」対応していくことが求められます。

テンプレートとは

テンプレートとは言葉の通りですが、難解な設定をしなくても初期設定がされている状態です。僕らは良く、「全ての企業に完璧ではないけど、どの企業でも8割はマッチする」テンプレートと説明しております。(BowNowのテンプレートはこちら

テンプレートを使用することは、以下2つのメリットがお客様にあります。

テンプレートのメリット①施策の速さ、早期の投資コスト回収

テンプレートを使用することで、導入後すぐに施策を実行することが可能になります。導入後に数ヶ月かけて初期設定をする必要がありません。

まずは自分たちが思い描いている施策を実行してみて、その結果がどうだったのかPDCAを回していくことができます。

また、施策実行スピードが圧倒的に上がるので、すぐに成果を創出することも可能です。MAは中長期的な施策を打つことが多いため、ROIを出しづらいこともありますが、施策スピードを上げることで早期の投資コスト回収が行えます。

テンプレートのメリット②ノウハウの蓄積、応用

2つ目のメリットとして、テンプレートによって蓄積したノウハウを自社に適用できるようになります。

BowNowの場合、3500社が同じテンプレートを今使っています。他社が「どのような施策、どのようなメールを送って効果が出たのか、どのような運用があるのか」をノウハウとして蓄積し、応用することが可能です。

これが、もし自社でカスタマイズしていた場合、何かつまづいた時に全て自社で解決しなければなりません。だって、その運用方法で運用しているのはあなたの会社しかないから。。ベンダー側もお手上げです。

テンプレートを利用することで、今まで蓄積したノウハウを応用し、自社の最適解を見つけるスピードを上げることが可能になります。

Box社 アーロン・レヴィ氏の金言

以下、昨年7月に行われた #SaaSWay の基調講演で、Box社会長のアーロン・レヴィ氏の金言です。※Boxとは世界で10万社近くに導入されているSaaSツールです。

機能が多い方が良さそうに見えます。一見。ただ、それは「顧客に選んでもらう」というプロダクト側の意見で、本当に大事なのは「導入後、成果を出せるか」という顧客側の意見です。各プロダクトの歴史があり、コンセプトがあり、それに合わせた機能があります。どのプロダクトも素晴らしいと思いますが、「それを本当に顧客が使いこなし、成果をあげることができるか」という視点で見ると疑問を抱くことが多いです。(ベンダーが悪いというよりは、日本の企業のマーケティングレベルが追いついていないと思います)

僕自身、初めのうちはカスタマイズ性の高いツールの方が良いと思っていました。ただ、実際に顧客の話を聞く中で、テンプレートの重要性を知離ました。そして、Boxという最強プロダクトの会長の金言。今後全てのツール(特にSMB向け)でこのテンプレートという考え方が増えると思います。

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