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【実際は十分足りている!?】パイロット不足は本当か??

今、世間でパイロット不足とあちこちで言われており、近年ではエアライン業界においても、パイロットの代わりがおらず運休を余儀なくされたりしています。

パイロットを目指す方であれば、各訓練校の説明会冒頭で必ずと言ってもいいほど耳にします。

コメント 2020-01-04 141737

上記資料は、航空局出典の国内におけるパイロットの数で、機長と副機長別にその数を表しています。

副機長はだいたい入社した年齢が20~30歳であれば、5~10年程度で機長昇格のための訓練に入り、副機長から機長となりますので、40歳過ぎになるとだんだんと機長の数が増えていくのがこの資料で分かります。

40歳前後で機長昇格した後、15~20年経過すると高齢化した機長が増え、下からの底上げがなくなり、結果的に深刻なパイロット不足という風につながっている

ということです。

これが「表」の背景だとします。

実際であると、

パイロット不足は全体的には間違っていないです。

しかし、

・パイロットが本当に不足しているのは「機長」→副機長、副機長候補は全体的に充実はしている
・その場しのぎで他エアラインから機長をヘッドハンティングして即戦力補充している→長期的運航は難しいので先の見通しが立たない

それに対して、副機長は

・機長に昇格する「副機長」が非常に少ない

・機長を引退した人が運航部としてシミュレーター教官となるケースが多いが、その教官に気に入られないと昇格試験すら受けさせてもらえないこともある→アナログで古い人間が訓練教官として多く残っており、運航部長のような肩書がもらえたり、休日も多かったり、給与もそれなりに良かったりするのでなかなか引退しない

・特に安く各エアラインから寄せ集めたLCCでは、このようなことが多い→緑色の中華系LCCは特に劣悪

・試験すら受けさせてもらえなかった副機長候補生は、まだ試験に受かる見込みがあれば訓練延長、見込みがなければ訓練中断、エアラインの規定上解雇ができない場合は、地上職として名前は残し、英語マニュアルの翻訳や資料作成をさせられて「飼い殺し」状態になっている。

・訓練延長になった候補生は次期候補生の訓練に入ることになるため時期が来るまで訓練は中断される。

・副機長の訓練延長、中断が度重なると次期候補生の訓練時期に影響し、次期訓練生の訓練開始が遅れ、訓練に入ることができずずっと「地上研修」させられている副機長候補生があふれている

・待ちの状態が続く副機長候補生は、入社時にマニュアル等一式渡されるが、時間の経過とともにモチベーションが低下し、今の現状に満足してしまう→いざ訓練に入ったときに全く勉強しておらず訓練が追い付かない→訓練中断になってしまうケースがここ最近非常に多い

という「裏」の部分、負のスパイラルに陥っています。

結果、機長は高齢化により減少、副機長は一定数はいるが、機長昇格する副機長が少ないため運航バランスがとれない。また、副機長になる副機長候補生も少なく、訓練待ち状態の副機長候補生が非常に多くなっているため、副機長候補生から副機長へ、副機長から機長へというサイクルが完全に乱れてしまっている状態です。

レガシーキャリアのような自社養成システムをもつエアラインはあまりないと思いますが、このような現状がLCC中心に多くみられています。

もちろん全てのエアラインに該当するわけではないが、上記に述べた某エアラインは特に酷い状態です。

このように、現在のパイロット繰りは非常に大変であり、この現状を打破するための明確な打開策が確立されていないため今後もこのような状態が続くであろうと考えています。

もし、エアラインを目指す方がいるのであれば上記の現状について考えてみて、将来的なパイロットとしてどうなっていきたいかを一度見直していただければと思います。

それでは、!

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