【ライブレポート】水戸と山中湖とエビ中の夏(1)
1.はじめに
8月5日、ファミえんに参戦しました。昨年に続き、2度目の参戦となります。
会場は変わらず、『山中湖交流プラザきらら』でした。この記事ではそんなファミえんについて、その前に参戦した春ツアー水戸公演と併せて書きます。
長いので、複数の記事に分けます。
2.逃げ水
ファミえんに先立ち、エビ中は4月から7月にかけてツアーを開催していました。
横浜在住なので、先行販売では4月の東京公演と7月の横浜公演に応募したのですが、どちらも落選しました。さらに、一般販売ではどちらも受付開始と同時にチケットが蒸発しました。
悪い予感はしていました。昨年、柏木企画と柏木ひなた卒業式に応募して落選していました(後者は配信で視聴した)。ライブは近づいたと思ったら遠ざかっていきました。昨年のファミえんからエビ中の現場に行っていません。
――もはやファンクラブに入っていなければ参戦できない時代か
しかし、これは首都圏と大阪での事情です。他の場所ではチケットが残っていました。その中に水戸公演がありました。背に腹は代えられません。一般販売初日に水戸公演のチケットを押さえました。えまち(桜井えま)と仲村さん(仲村悠菜)を早く直接見たかった、という事情もありました。
水戸なのかは分かりませんが、茨城県は心菜(桜木心菜)の地元です。そのためか、会場には赤装束のファミリーが目立ちました。そして、エントランスには花輪が2つあり、贈り主はそれぞれ「桜木心菜親族一同」「心菜パパ友人一同」となっていました。春ツアーの一公演ではあるのですが、心菜の凱旋公演という印象が強かったです。心菜パパ友人一同がどのような集まりなのか、とても気になりました。
席は後ろから数えた方が早い場所でした。どうやら、一般販売のチケットはわずかだったようです。実際、水戸公演のチケットも最後には完売しました。しかしながら、中央に近く、ステージとの高低差があまりなかったため、パフォーマンスが見えやすい良席でした。
――これは幸先が良いな
何者かの祝福を感じずにはいられませんでした。えまゆなの顔が確認できる距離ではありませんでしたが、一般販売の席でそれを望むのは贅沢というものです。
ライブは期待以上のものでした。終わった後で右手を見ると、ペンだこならぬペンラだこができていました。それだけ夢中になってペンライトを振っていたのです。
初っ端は『PANDORA』でした。歌声に迫力があり、鉄柵のようなものでステージを遮る重厚な演出も相まって、圧倒されました。
さて、この時点ではエビ中の現場でも声出しが解禁されていました。『HOT UP!!!』は声を出すことでより盛り上がれる曲だと再認識しました。もちろん、黙って振りコピをするのも良いものではありました。他には『オメカシ・フィーバー』のコールを体験できたことが嬉しかったです。初参戦だった一昨年の大学芸会で印象に残っていた曲でした。『イート・ザ・大目玉』も格好良かったです。真山(真山りか)が実力を存分に発揮できる名曲です。そして、心菜はやはり気迫に満ちていました。これまでで最も輝きが強かったように思います。
セットリストで特に良かった点は『Bang Bang Beat』が含まれていたことです。昨年のファミえんで一度聴いていたのですが、フルメンバーで歌うと深みが違います。
11ヶ月のブランクを感じることなく楽しめたライブでした。水戸まで出向いた甲斐はありました。
約1ヶ月後のファミえんへの期待が高まりました。
3.シンクロニシティ
当日の朝は晴れ渡っていました。アパートを出た瞬間から殺人的な日差しが突き刺さりました。悪いことに、睡眠不足でした。バスツアーの集合場所に着くまでに、既に体力が削られていました。
前夜、8年以上愛用し続けてきた腕時計が所在不明であることに気づいてしまいました。午前2時過ぎまで探した挙句、見つかりませんでした。結局、左手首に何も付けずに出発することを余儀なくされました。相棒の不在により、落ち着きを失っていました。
フィジカルとメンタルが共に万全とは言えない状態で、バスに乗り込みました。昨年は道中で過去のファミえんが上映されていましたが、今年は何もありませんでした。そのためか、寝ている乗客が多かったです。間もなく、私も意識を失いました。
意識を取り戻した時には、バスが駐車場に到着しようとしていました。覚醒しきらないうちに下車することになりました。
駐車場から会場までは川沿いの道を歩く必要があります。道中、見覚えのあるものが視界に入りました。目が覚めました。
――あれは……まさか……そんな……
『EBIG!フード付きメンバータオル』。今回の物販では売られていないので、昨年買ったものを持ち込んだものです。しかも、1人や2人ではありません。格の違いを改めて思い知らされました。
肌寒かった昨年とは打って変わり、山中湖畔は猛暑でした。涼しさを感じられるのは風が吹いている間だけです。
昨年同様、会場入口前の広場にはキッチンカー、物販テント、仮設トイレが並んでいました。ただし、配置は異なっていました。昨年は奥が仮設トイレ、手前が物販テント、右手がキッチンカーでした。今年は奥が物販テント、右手が仮設トイレ、手前がキッチンカーでした。理由は不明です。
まずは物販テントでマフラータオルを買うことにしました。昨年は兄からもらったラジオ番組のマフラータオルを持ち込みましたが、大きくて振り回すのに苦労しました。振り回せるマフラータオルが必要でした。時間の経過とともに物販テントの列が長くなることは既に知っています。空腹でしたが、意を決して並ぶことにしました。
覚悟はしていましたが、手持ち無沙汰でした。直射日光のせいでスマートフォンで時間を潰すこともできません。物販テント前に設置されたスピーカーから流れるエビ中曲を聴きながら、風が吹くことを祈っていました。
列の先頭まであと数人となった時、耳が聴きなれたイントロを捉えました。『ハイタテキ』。
――これはいけない
中毒性が強い曲です。サビに入ると同時に体が勝手に振りコピを始めてしまいました。傍から見れば挙動不審です。とは言え、列の前後には同じように振りコピをしている人が散見されました。すぐ前の人などは「惚れた?」の直後に両手を前に突き出していました。エアギターならぬエアペンライトです。「惚れた!」と心の中で叫んでいたのでしょう。よほど「りったん(中山莉子)推しですか?」と話しかけようかと思いましたが、自重しました。私は決して社交的ではありません。初対面の人との雑談は荷が重いです。「そうです。りったんがPPPの時にQQQしたのがRRRだったから、それ以来の推しです。あなたは(以下略)」などという好感触が得られたりしたら、続け方が分かりません。
――せいぜい、一人旅を楽しむとしよう
静かに並び続けました。
マフラータオルは何事もなく手に入りました。
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