頭に血が上る:ウランと名がつけば

米国は、「・・・主力戦車「エイブラムス」の砲弾として、劣化ウラン弾を供給する方針・・・」とのこと。

一旦、戦争に入ってしまえば「憎しみ」の膨張は限りなく続きます。そして「我々が被害者である」ということを双方で発信します。加害レベルを推し量って実証のないまま被害量を推定することもしばしばです。

劣化ウラン弾(Wikipadia参照):弾体として劣化ウランを主原料とする合金を使用した弾丸全般を指す。合金化して砲弾に用いると、同サイズ、同速度でより大きな運動エネルギー(質量に比例する)を得られる。
劣化ウラン(広島市HPより):核兵器の製造や原子力発電で使われる天然ウランを濃縮する過程で生じる放射性廃棄物。

(広島市HPより)劣化ウラン弾頭が着弾し、あるいは劣化ウラン装甲に被弾することによって劣化ウランが燃焼すると、酸化ウランの微粒子となり周囲に飛散することから、放射線による人体や環境への影響が "危惧" されている。

この "危惧" が推量で 想定被害 に 格上げされ実証を得ないまま、「加害者が核を使った」という文言が世界を飛び回ることになりはしないか。

そうすると、それは「頭に血が上る」人々をさらに激高させる。もはや、どちらが正義という判断はぶっ飛んでしまう。

G7広島。そこで世界に発信したものは何だったのか。

頭に血が上り「憎しみ」だけで戦争が続いて「被害を拡大させない」ために最終兵器を使う判断を下す。その発端は実証のない「核を使った!」という流言飛語からでは、悔やんでも悔やみきれない。

現代の戦争は "情報戦" が先に戦われる。その情報戦で勝ちを収めれば "加害者" から抜け出ることができると解釈しています。どちらの言い分が説得力を持つのか。実証を伴わない情報戦の中で人類滅亡への道を突き進みはしないか。

ほんのわずかな "単語" ではあるけれど、そこから破滅を呼び起こさないように、細心の注意が必要なのです。

#日経COMEMO #NIKKEI

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