露国政府が核兵器を持ち出せば米国民主党は決断する

歴史はいつも皮肉だ。第三次世界大戦を回避すべく、フルシチョフと対峙したケネディ。結果は、キューバに核兵器を設置することはなくなった(キューバ危機 Wikipedia参照)。今度は、プーチンとバイデンはどのような世界大戦回避を行うのか。

各々の役割が違うものの、若いころのカストロをみれば、ゼレンスキーの顔が浮かぶのはなぜだろう。カストロはソ連に介助されゼレンスキーは旧西側に介助されている。

戦術核など、都合のいい解釈が軍事専門家の中でやり取りされるが、核兵器は核兵器である。使用することが人類を冒涜する。否、地球に存在する生物を冒涜することになる。

核兵器を使えば被ったほうは恐怖が増すのではなく憤怒が増すだけだ。我を忘れて猛烈な反攻をおこなう。核兵器が使用された直近への反撃もあるが、一気に加害国の首都へ猛烈な破壊を起こす核兵器を打ち込むことになる。

当然ながら、制御を失った各国は自衛のために当初の味方であろうが、"被害" と受け止めれば相手見境なく攻撃をすることになる。核兵器による連鎖反応だ。

ここで、今一度、世界核戦争前夜を思い浮かべてみる。

猛烈な反攻を行うのは誰か。まず、NATOであろう。直接的な侵攻がなくとも、脅威であればNATOが動く。それが、近隣の核攻撃であれば先制攻撃のような体制をとる。NATOによる脅威に対する反撃ということ。

それを誰が後押しするか。アメリカ合衆国大統領バイデンだ。中間選挙で民主党は苦しい立場にある。NATOの反撃を後押ししなければ弱腰の民主党と見なされ惨敗する。ケネディと違う背景により、ケネディと違う判断を下し、実行するということ。そして老いた頭で「自分は核戦争を制御できる」と勘違いをする。第二次世界大戦終戦から80年になろうとしてる。その悲惨さを忘れたのだ。

そうなれば、何が起こるか。露国政府は、反撃で米国都市に核兵器を打ち込むことになる。その後は想像するまでもない。老境に入ったとはいえプーチンはまだ血気盛んだ。勢いは理性を超える。

今のところ、核兵器発射ボタンに一番近い人物はプーチンだ。実際のボタンの話ではなく核攻撃の命令を下すという意味である。露国軍司令官も冷酷な人物と聞く。命令が下されれば躊躇なく実行に移される。今、第三次世界大戦を引き起こす役割の人間が勢ぞろいしているということだ。


あのキューバ危機より質が悪い。始めから核兵器を使う意思を明確にしている。いつでも使えるという目線で戦況を見ている。NATOも米国政府も "核兵器による反撃やむなし" の姿勢だ。もう、その時点で第三次世界大戦は始まっていると断じていい。

核兵器を使うか使わないか。チキンゲームかロシアンルーレットか。アクセルを踏むか実弾の引き金を引くか。どちらもその後はない。それがわかっているのにわれわれはそれを止められない。


#日経COMEMO #NIKKEI

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