手綱を引いている間、馬は焦れる

馬は「いつ、走らしてくれるのか」と焦れるのです。走るために生まれた "馬"。為に動く、その為が有耶無耶であって、指令は手綱を緩めることが難しい。

馬は指令を振り落としてでも、快感をもって本能を開放するか。

策を乗り越え、雄たけびを上げながら、"敵" とあらば蹴散らす。それが、本能。

指令は暴れ馬を撃つことができるか。

「あの時、手綱を一瞬間緩めなければ・・・」、愛馬を狙い撃つこともなかったろうに。だが、奔放に走り回る馬のうつくしいこと。見惚れてしまい、引き金を引けない。

馬は、もう、指令の策の中に収まることはない。策は、暴れる馬から指令を護るものへ変容したのです。馬は、一瞬間でも指令に銃を向けられたことを覚えています。策の外から指令を冷たい目で凝視しています。

#日経COMEMO #NIKKEI

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