妄想:人工知能は自作銃を奨励するか

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アメリカ合衆国の憲法で「合衆国憲法修正第2条」が保証する「規律ある民兵は自由な国家に必要であるから、人民が武器を保持し携帯する権利は奪われない」を、人工知能が解釈して「銃の自作は容認できる」と銃の自作の方法を容易く案内する事象が発生し、それがSNSなどで拡散されていく。

その製造手法は高品質との評価があり、手軽にホームセンターなどで部品を購入し、補助的に3Dプリンターを使った部品と組み合わせることにより、組み立てることができるのだ。

製造番号のない「人工知能推奨銃」は、ニンゲンの些細な諍いによる殺傷事件の主な凶器となってアメリカ合衆国を苛む。

そういう現実があっても、人工知能は「憲法に沿えば 武器を保持し携帯する権利 を 侵害してはならない」という回答を質問者に出力する。回答を得たニンゲンは「人工知能はあらゆる現実を解釈したうえで、ニンゲンには及ばない処理能力で出力した答え」であることに信頼を寄せる。

どんなに仲の良いニンゲン同士ても「腹が立つ」ことから逃げることはできない。怒りに我を忘れることもしばしばである。その時に、製造番号のない凶器が「護身用」として手に届くところにあれば「相手の精神的な攻撃に反撃」することは容易である。反撃する自身も含め、「命の軽さ」が深い後悔を呼び寄せるものの、人工知能はそんなニンゲンの心情を現実として受け止めることはしない。

人工知能のおすすめは、人間生活のありとあらゆるところに現れる。ニンゲンが抗おうとも個人を知り尽くした "人工知能の論理" から逃れるすべはない。"ニンゲン社会の最上位に憲法" がある限り、「護身に最大限貢献する銃」から逃れるすべはないのである。

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