新文明:ゆっくりさん が 透る

若い人の未来。これから生まれてくる人の未来。ピークを過ぎようとする先進国の未来。これから力を発揮しようとする国々の未来。どちらにしても、ニンゲンはどうなっていくのか。SFでなくとも未来を描いてみなければと思うのです。

私たちが "火" を手に取って思うように扱えるようになってから、それ以前の活動量とは比較にならない "利活用・活動量" が増加してきました。"火" から原子に至り、それより極小を知ることになり量子力学を駆使するようになりました。同時に "他力" 利用は、馬や象などの大きいチカラの飼いならしから、ロボットへ移り変幻自在な素材活用までになり、大脳を模した様々な機器の利活用に至ります。もはや、"利活用" なし では生きられない文明の中にいるのです。

利活用の効果が最も顕著に表れているのが "長寿" でしょう。私たちは様々な "他力" を駆使し、結果、"長寿" を成しています。

”他力" + "利活用" = ゆっくりした生き方

となりますかどうか。忙しいことは他に任せ、そこからの受益でくらしを立てる。その生き方を幼いころから慣れ親しんだ若い人。"ゆっくり" が当たり前で、ゆっくりと世間を作り、ゆっくりと生きる。忙しないのは "他力" 側のほうで、創造を超えたエネルギーを使いながらナノ秒未満で "何か" を生み出していきます。その "何か" は、"ニンゲンの欲" と密接につながっていて、ニンゲンはゆっくりしていても、様々な変化に対応できるのです。

きっと、まず、先進国が "ゆっくり" になっていき、その後を追って猛烈な勢いで先進の仲間入りを果たした国々も、順次、"ゆっくり" になっていきます。

少子高齢化が当たり前の世界となり、ゆっくりとでなければ成り立たない社会の出現。私たちはその未来に向かっている。だが、その歩みはニンゲンを超えたスピードでとどまることなく突き進み、ついていけないニンゲンは取り残される。なんとも矛盾するような、未来への途中の只中にいる気がするのです。

#日経COMEMO #NIKKEI

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