コモンウェルスの頸木、大露西亜と大中華が動かせない理由

頸木:自由を束縛するもの、車の轅 (ながえ) の前端に渡して、牛馬の頸の後ろにかける横木。
統治:まとめおさめること
コモンウェルス(Wikipedia参照):イギリス帝国のほぼ全ての旧領土である54の加盟国から構成される経済同盟(支配下から独立し最大の支援国家なったのは米国)

この同盟は不自由であるかといえばそうではなく、世界を回す主体となるべく緩やかに連帯していると解釈しています。ですが、外部の者がこの頸木を少しでもずらしたり触ったりすれば、一気に硬直化し梃子でも動かない存在となります。

嘗ての世界帝国である、大英帝国・大露西亜・大中華。21世紀に入って再び復活し、領域拡大に精を出しています。現在の世界帝国はアメリカ合衆国。コモンウェルスの後ろには米国がいるということ。

そして、世界帝国として名をはせたオスマン帝国。中央同盟国として第一次世界大戦に参戦し、ドイツ革命・オーストリア革命そしてトルコ革命を引き起こします。敵対したこの時の連合には、米国・大英帝国・露西亜・中華が含まれています。

欧州は大欧州になろうとしてなり切れずにいます。コモンウェルスを抱き込む力量が足りない。領域に隣接する大露西亜と手を組まざるを得ないのが実情でしょう。

米国・大英帝国・大露西亜・大中華・オスマン帝国。世界は第一次大戦前の領域を活性化させています。大欧州の中でドイツはどうしても領域を拡大できない存在。第一次・第二次と二回の大敗戦にかかわらずしぶとく復活しています。その実力は欧州一。

フランク王国の返り咲きを夢見るフランス。ヴェルダン条約で分割される前の帝国。それを大欧州とさせるためには、大ゲルマンを夢見るドイツと対峙することなります。イングランド単体でみれば、ゲルマンに親和性があるのですが、猛烈に反発しあう磁性があります。

世界大帝国時代が復活しています。現在の科学技術を駆使すれば、大繁栄をもたらすか大消滅をもたらすか。各々の夢見る領域が重なり合うところに繫栄も消滅もなしえるエネルギーがあります。同盟が夢をつなぐとすれば、どこと手を組めば栄えることができるか。おいそれと手を出せない理由がそこにある。

#日経COMEMO #NIKKEI

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