ドイツの分断:対岸の火事なのか

他山の石 として見なくていいのか。第二次大戦の戦後体制をめぐる討議の中で、日本列島を首都を戦勝国が分断する計画があったと聞く。(以降、妄想)*****

東西に分かれたドイツ。ソビエト連邦と深い関係にあった東ドイツ。経済的に有利な西ドイツに吸収された経緯もあり、旧東ドイツの住民は複雑な感情を持つようになる。西側にたする「羨望」と「東ドイツへの郷愁」だろう。当時は共産圏にあって優秀な国として名が通っていた。

大露西亜との関係でその感情がアンケート結果に矛盾として現れる。

日本はどうか。アメリカ合衆国の占領で民主主義が植え付けられ基軸通貨ドルの下で経済繁栄を築いてきた。だが、地政学的に言えば太平洋を挟んで西側のもっとも縁(へり)にある国である。太古にさかのぼれば、隣接する大陸より文化を受け入れ独自の文化を築いてきた軌跡がある。

その大陸が世界覇権を本気で狙ってきている。日本文化に根差した大陸への感情は、東ドイツの複雑な感情と類似性はないのか。

ドイツと日本のはっきりした類似は、アメリカ合衆国軍の駐留というところだ。基軸通貨ドルでの繁栄との交換条件と言ってもいい。基軸通貨圏を守るために一国では賄いきれない軍事をアメリカ合衆国に依存するという類似性である。

一方、本気で世界制覇を狙う大陸は、自国の基軸通貨圏を形成しそれになびく周辺諸国へ投資を厚くしていく。その基軸通貨を守るために軍の拡張を積極的の押し進め、基軸通貨を阻害する "敵" をねじ伏せる "腕力" を鍛えている。

そして、アメリカ合衆国は国内の分裂にエネルギーをつぎ込まざるを得ない状況が今後も長く続く。まるで "現代の南北戦争" である。場合によっては "内戦" という文字が大量に出回ることになるのかもしれない。

「守られている基軸通貨:ドル」で守る力が衰える。国内をまとめるために共通の敵を求める。ドル通貨圏を守るべく世界に散らばるアメリカ合衆国軍の強化を押し進める。

アメリカ合衆国軍の要請に応えざるを得ない駐留のある国々。日本はその中でもっとも "ドル通貨圏の敵国" に近い位置にある。そこに、日本の意思はどう反映されるのか。

東ドイツは西ドイツより大露西亜圏内に近い。感情としては「戦場になりたくはない。豊かな西ドイツは痛みを伴わない。そんなのは平等ではない。」

羨望と郷愁が入り混じれば、悪い妄想しか生まない。現実的ではないことは承知している。だが、感情は高まっていく。

日本はどうか。「戦場になりたくない。もう二度と敗戦国になりたくない。自国の軍事力だけではどうにもならない。内戦のようなアメリカ合衆国の動静が読めない。アメリカ合衆国軍に依存しきっていて大丈夫か。」

アメリカ合衆国は「自国最優先」を貫こうとする。威勢のいい発言と軍事の強化は増え続ける。だが、判断は対岸の火事の火の粉は受けないところに行きつく。

ドイツはユーロ通貨圏にいる。東ドイツの人々がユーロ通貨圏の利点を享受しているのであれば、西ドイツへの複雑な感情から逃れられ、ヨーロッパとして基軸通貨ユーロを守ろうと思うのかもしれない。だが、郷愁の強さがそれを上回る。「東ドイツは東ドイツなのだ。」と。

日本は、やがて「仮想敵国の基軸通貨」の猛烈な追い上げと、それに関わらざるを得ない民間の利益増大に悩むことになる。実質、「仮想敵国の基軸通貨圏」に取り込まれているのだ。

日本とドイツ。アメリカ合衆国との関係の再構築を迫られる。

ともに、守るべき基軸通貨の選択をどうするか。アメリカ合衆国からの強烈な制裁を覚悟しても、「戦場になりたくない」という類似の思いが決断を促していく。

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久々に長めの妄想をしてみました。今日は「大寒」すぎて間もないのですが、かなり寒い。その寒さで、今後起こるであろう旧枢軸国の感情に思いをはせたところ。


#日経COMEMO #NIKKEI

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