言葉が通じない兵の投入、デジャヴュ

六四天安門事件。鎮圧に起用された主力部隊に内モンゴル兵士。
市民と言葉が通じにくい兵士は忠実に上官命令を実行します。言葉が通じれば躊躇する場面が増える。

今回、ロシア政府が推し進める外国人雇い兵。その背景には上官命令を忠実に実行する兵士が足りない現状認識があるように思います。

それは、ロシア兵が市民の言葉を理解してしまうと「ウクライナに対する暴力」であることが即座に認識されてしまうから。抗議の言葉がそのまま自己行動の疑念を生みます。

ただ、外国人雇い兵もロシア軍上官の言葉を正しく理解するか。勝ちに乗じて暴挙に出ることはないか。勇み足の単独行動に出ることはないか。"統制" という面で苦慮することになるでしょう。

市民の抗議活動を "暴動とテロ" に刷り込み、悪のレッテルを張り付けて標的にする。「標的を打て」と単純な命令を下す。淡々と市民を倒す行動に出る。

昔から戦争にルールなど存在しません。勝つためにできることをする。明快なのです。あるとすれば戦後の立ち位置が不安定にならないような "証拠" を捏造すること。戦後の追及を逃れるために「外国人雇い兵が言葉がわからずに蛮行に走った」という理由にならない理由のために。

ロシア軍に参加しないこと。それを西側が広く伝えること。

それを助けるのはメディアとなるのでしょう。過去事例をきちんと編集し世界に伝えてほしいと願っています。


#日経COMEMO  #NIKKEI

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