シェアシェア老後だぞ

わたしは、この表に当てはめると・・・。

もう、絶望的であります。今の生活を維持することも、ままならないのでありますなら、衣食住は悉く「シェア」で凌がなくてはなりませぬ。

いつも、「だれか〇〇かしてぇー」と所かまわずお願いして廻る老後なのです。それも、お礼が殆ど出せない状況。貸す人も快く思わないでしょう。

もう、寝袋一枚で、雨露凌ぐところに住むしかない。襟に垢のついたシャツをきて、勤め先に出勤しますか・・・。まず、そんな勤め先などあるはずもなく。であれば、貸したい人と借りたい人の仲介役で手数料で老後を・・・。これも、ITで十分。ITから零れ落ちた ”リアル貸し借り” の中で物理的な ”ものたりない” を補うことになりそうです。

周りを見回せば、同じように寝袋一枚で生活している人がいるはず。お互いさまで貸し借りをして、今日一日をやり過ごすことも出来ましょう。貧しい老後は、貧しいなりに ”安定” できれば ”幸福” なのであります。

「世の中の役に立っている?」と、若い人に詰問されるのでしょう。返事に窮して、ひたすら人のいないところへ隠れるように生きるのみ。そうやって、吹き溜まりの中に似たような老人が集まるのです。

その塊のもっとも奥まったところには、もう動かなくなった物体が積み重なり、繰り返されやがて吹き溜まりは大きくなります。表面は、まだ動ける老人の層。その積み重なった層の中でも奥と表でシェア経済が成り立っていく事でしょう。若い人の経済には何の役にも立ちませぬが。

なかには、空腹でいらだって「老人に敬意を払え!」という人が出てくるのですが、それは、ちがう。私たち世代がその若者を育てたのであります。だから、だまって、次の時代についていくのみ。

若者同士のシェア。老人同士のシェア。そこの隔たりは、広がっていく事でしょう。需要と供給がかみ合いませんから。唯一噛み合うのは、おむつかもしれません。ですが、サイズが合わない。老人がしぼむように体が小さくなって、赤ん坊のおむつをはけるようになった時、それは、あの世へ一番近い時。

老人の経験を若者に貸そうとしても、人工知能の時代に人間のノウハウは必要ありません。ここでも、役立たずです。役に立てるのは、共感で共有できそうな老人コミュニティの中。

生産性を失った老人達。足りなければ貸し借りで凌ぐ。これが、新しい時代の老人の知恵なのでしょう。


#COMEMO #NIKKEI

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