賃金上がらず、物価だけが上がっていく
これが、最悪のシナリオ。「雇用優先」で、雇う側は報酬据え置きか、更に薄くする方向へ向かう。雇われた側は、薄給でもわずかな貯えへ気持ちが動く。
投機・投資では、利潤を求めて余った金が高速で動き回り、成績の良い運用組織にカネが集中する。富裕者は競って「価値の高いヒト・モノ・カネ」を欲しがり、ごく少数の勝ち組だけが残っていく。極少数の「買い」で物価が上がっていくのだ。
一般が求めていないのに「物価が上がる」現象。
コロナ禍をワクチンや医療体制整備で改善したとしても、貧富の格差を是正しない限り、「最悪のシナリオ」は無くならない。高熱で溶かされた「カネ」を掴めるのは、分厚い手袋（富）をはめたモノたちだけだ。それ以外は、火傷するしかない。
おそらく、一般は「新しい経済構造」を知らず知らずに構築していく事だろう。「低報酬でも回る経済」だ。ギアを二つ組み合わせたような、富裕層とは逆回転の経済。
その経済は、貧しいモノたちと富める者たちが溶け合う事はない。歯車の溝のカタチも不揃いだから、常に軋み摩擦熱を発する。
怖いのは、それさえも止まってしまう事。同じ人間なのに、全く交わらない世界。それが、１０年後、否、５年後の世界と映る。なんと、悲しいことか。
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