けんかする場所がなくなって、処刑だけが残る

ハラスメント。ほんとうは、当事者同士がしっかり納得できるまで説得しあう場所が必要。しかし、"処刑" を頼みに直接対峙しない。弱い立場を守るための仕組みだったが、「やられたらやり返す」の "道具" になってしまった。

けんかは、ほんとうは「最終的な危険な状態を防ぐ」効果がある。まわりも、ある程度落ち着くまで見守る。熱を帯びれば周りも引き離しにかかり、冷却を創り出す。

それがない。いやがらせをした・しない。周りも関わらない。当事者でないところに "裁定" を持ち込む。周りがかかわらないから、客観性に欠けたグレー裁定でその時々の判断により "処刑" が決まる。

あるべきは、「ハラスメントは周りが関与して、けんかの場所を創る」ということ。そこで、周りも当事者も決着がつかないと判断したら、裁定機関に預ける、ということ。まわりも、リアルなケンカでハラスメントの正体を学ぶ機会を得ることができる。

けんかは、とても大切な行為。未来に向けて避けては通れない人間社会の潤滑油でもある。「正しくけんかする」をハラスメント解決に。・・・そんなこと、できないから今がある。それも、理解しているつもり・・・だが・・・。


#日経COMEMO #NIKKEI

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